【解説】一時保護施設の基準整備
(解説 2024-11-11付)

 道は7日に開かれた道議会子ども政策調査特別委員会で「仮称・道一時保護施設の設備および運営に関する基準を定める条例」素案を示した。一時保護中の児童が安心して過ごせるよう①職員の配置数②居室面積や設備③運営―の基準を定め、児童の権利擁護や個別的ケアを推進する。7年度から施行する。

 一時保護施設は虐待など何らかの理由で自宅で生活できない子どもたちのために一定期間生活する場所。学習、活動、自由時間など1日を過ごし、児童指導員、保育士、学習支援員などが支援に当たっている。

 一方、一時保護は子どもにとって不安の大きい状況であること、子どもの権利を守るより手厚い対応が必要であることから、国は3月に児童養護施設の設備・運営基準に代わる全国の統一基準(内閣府令)を策定。子どもの権利を守り、個別的な対応が可能になる職員の配置人数、居室面積の基準を示すとともに、合理的理由なく子どもの私物の持ち込みを禁止することなど子どもの権利擁護を明記した。各都道府県・政令市では国の基準に基づき6年度中に関係条例を制定することが求められている。

 国の統一基準では、職員の配置基準を3歳児以上3人当たりで1人以上、居室1室の定員は4人以下、少年は1室1人に努めることなどを定めており、道もこれらの基準に概ね準じる方向で検討を進めている。

 非常災害対策に関しては道独自の基準を設ける予定で、胆振東部地震など道内で発生した自然災害を踏まえた上で必要な設備の設置、災害に対する計画の策定、避難訓練の定期的な実施などを盛り込む。

 道の条例素案は11月中旬からパブリックコメントを実施し、7年2月中旬の1定道議会に条例案を提出。7年4月から施行する予定だ。

(解説 2024-11-11付)

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