道教委　ふるさと教育等推進へ　指定校の実践成果を普及　地域理解、郷土愛育成に効果

（道議会 2024-11-15付）

　道教委は１３日の道議会決算特別委員会で、道ふるさと教育・観光教育等推進事業の実践成果の普及に取り組んでいく考えを示した。指定校では歴史・文化への理解を深め、まちづくりの視点を育む特色ある教育活動を展開。地域に誇りや愛着を抱く児童生徒の割合が９割を上回るなど成果が表れており、指導プログラムの内容改善や実践事例の周知を図っていく。

　同事業は平成２３年度から開始。「アイヌの人たちの歴史・文化」「北方領土」「観光」「縄文遺跡群」「北海道の文化遺産等」の五つの学習テーマのもと、道徳科や総合的な学習の時間などで地域の教育資源を活用した体験学習などに取り組んでいる。本年度は実践校４４校、協力校４３校が指定を受けており、事業の実施校数は延べ９８７校になった。

　各学校の取組例をみると、江別市の小学校ではウポポイなどを訪問してアイヌ民族の歴史・文化に対する理解を深め、学習成果を新聞で発表。千歳市の小学校は北黄金貝塚の見学など縄文遺跡への理解を深める独自の学習を実施している。

　寿都町の小学校では、基幹産業である水産業関係者の講話をもとに調べ学習を行い、まちの魅力を道の駅で展示するなどまちづくりに関わる資質・能力の育成を図っている。

　遠軽町の小学校では、国宝として指定された黒曜石の産地見学、石器作り体験などを通して、地域の特色や歴史について理解を深める学習を行うなど、地域の教育資源を活用した特色ある教育活動を行っている。

　山本純史学校教育監は、事業指定校において「北海道や自分たちの住んでる地域に誇りや愛着を持つことができた」と回答した児童生徒が９割以上となり一定の成果が見られたと報告。指導プログラムの活用促進を図るため、内容の改善や実践校の取組事例のさらなる周知に取り組んでいく考えを示した。

　中島俊明教育長は、本年度から同事業において他地域の実践を交流する場となる「テーマ別交流会」を全管内で実施していることから、成果普及に取り組んでいく考えを示し「身近な地域の自然環境や歴史、文化等への理解を深める教育活動のさらなる推進を通じて、ふるさと教育の一層の充実を図り、本道の未来を担う人材の育成に取り組んでいく」と述べた。

　木下雅之委員（自民党・道民会議）の質問に対する答弁。

(道議会 2024-11-15付)