外部人材の配置効果向上へ 補助金申請の指標新設 文科省 事務職員配置推進も
(国 2024-11-21付)

 阿部俊子文部科学大臣は19日の記者会見で、教員業務支援員(スクール・サポート・スタッフ)など外部人材の配置効果を高めるため運用の改善を図っていく考えを示した。市町村が補助金を申請する際に教員の時間外在校等時間の状況に関する成果目標を設定することで、より詳細に学校現場の実態を把握して改善につなげる。また、市町村県費負担事務職員の配置を進める新たな補助要件を設ける考えも示した。

 各省庁の事業効果を検証する「秋の行政レビュー」が15日に東京都内で開催され、文科省所管分では教員業務支援員などの支援スタッフに関わる配置効果を検証。有識者から改善に向けた指摘を受けた。

 有識者からは予算投入規模に見合う効果が発現されるよう改善を図っていく必要性が指摘され「まず業務の棚卸やデジタル化を行い、業務の削減・効率化を図るとともに時間を要している業務を特定した上で、その業務を行う適正人員がどのぐらい必要であるかを把握すべき」とした。不足している人員を補う際、専門家を含めて求める人材の要件や役割分担を明確にするよう求めた。

 その上で、教員の時間外在校等時間の状況のほか、受益者となる子どもたちへの効果、コーディネートや外部人材受け入れを担う学校側の負担が分かる指標を設定するよう求めた。

 また、学校事務職員の適正配置の必要性にも触れ、外部人材の配置に当たって事務職員の人員配置に関わる要件を設定するよう提案した。

 本年度から配置が始まった副校長・教頭マネジメント支援員に関しては「求められる能力を十分に備えた人材を配置する、あるいは経営の専門家およびそのチームによる支援システムを構築することを検討すべき」とした。

 会見で阿部文科大臣は、教員の在校等時間の着実な縮減につながる外部人材配置の意義を強調した上で、これら有識者の指摘を踏まえて運用方法の改善を図っていく考えを表明。学校における事務職員等の体制整備の重要性も強調し「市町村独自の取組を促すことができるよう、具体的な仕組みについて検討していく」と述べた。

(国 2024-11-21付)

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