文科省　補正予算案の概要　ＤＸ推進に３８３億円　部活動地域移行実証　２.９倍に

（国 2024-11-29付）

　文部科学省は６年度補正予算案の概要をまとめた。教育のＤＸ推進に３８３億円を計上し、学校の通信ネットワーク改善や次世代校務環境の整備、高校等におけるデジタル人材育成の強化に必要な経費を措置。部活動の地域クラブ活動への移行に向けた実証事業には前年度比約２・９倍となる２９億円と大幅な増額を図る。政府は補正予算案を１２月中に国会に提出。年内の決定を目指している。

　２２日に閣議決定した総合経済対策に基づき、教育ＤＸの推進、不登校・いじめ対策、教師を取り巻く環境整備など７年度に予定していた一部の施策を前倒しして措置する。

　ＧＩＧＡスクール構想第２期の基盤を整備するため、学校の通信ネットワーク速度の改善や次世代校務環境の整備の支援、さらには学力調査のＣＢＴ化やＣＢＴシステム「メクビット」の機能拡充などに必要な経費を計上。

　デジタル等成長分野を支える人材育成の強化も掲げ、情報・数学などの教育を重視するカリキュラムやＩＣＴを活用した文理横断的・探究的な学びを支援する高校ＤＸ加速化推進事業（ＤＸハイスクール）を拡大する。

　生徒指導関連では、警察ＯＢなどの専門家チームを教育委員会に設置する新規事業を計画。いじめの個別事案や再発防止に対応する取組を試行する。

　いじめ未然防止に向けた指導案や指導教材の作成にも着手。「いじめとは何か」を児童生徒が認識し、安全・安心な学校・学級づくりに主体的に取り組むモデルを確立させて全国への普及を図る。

　学校施設の整備には２８８３億円を計上。老朽化対策、防災機能強化、トイレ改修、特別支援学校の教室不足の解消などの整備を支援する。

　部活動の地域クラブ活動への移行に向けた実証事業には２９億円を計上。地域クラブの体制整備に取り組む市町村への支援を強化する。また、先導的に取り組む都道府県を「重点地域」として指定し政策課題への対応を進める。

　被災地を支援する新たな枠組み「Ｄ―ＥＳＴ（ディーエスト、Ｄｉｓａｓｔｅｒ　Ｅｄｕｃａｔｉｏｎ　Ｓｕｐｐｏｒｔ　Ｔｅａｍ）」の構築には５０００万円を計上。自治体の教職員による被災地支援チームの設置を促進するとともに、国と自治体による連携体制の構築を目指す取組を開始する。

(国 2024-11-29付)