いじめ未然防止の認識共有へ モデル教材作成を計画 文科省 8年度から全国展開(国 2024-11-25付)
文部科学省は、いじめ未然防止教育のモデルとなる指導案・指導教材の作成に着手することを計画している。「いじめとは何か」を児童生徒が認識し、安全・安心な学校・学級づくりに主体的に取り組むモデルを確立し、8年度から全国の教育委員会・学校での普及を図る。小・中・高の発達段階に応じて実践できる内容を想定しており、早期の事業化に向けて準備を進める。
平成25年度にいじめ防止対策推進法が施行され10年が経過。この間いじめ重大事態の発生件数は増加傾向にあり、5年度は1306件と10年前の7・3倍に増加した。いじめの態様も多様化・複雑化しており、近年では被害者と加害者が交錯するなど複雑な事案も発生。全体の約4割が重大事態に至るまでいじめとして認知されておらず、未然防止の取組が一層重要になっている。
これまでもいじめの未然防止に向けた道徳教育や人権教育が各学校で行われてきたが、児童生徒に「いじめ」とは何かを具体的に教える取組は全国的に実施されていない状況にある。このため、どのような行為が「いじめ」に該当するのかを児童生徒が認識し、いじめを「しない」「させない」「見逃さない」学校の雰囲気づくりに自主的に取り組む態度を育成する指導教材を作成する。
事業期間は1年間。先進的な取組を行う教育委員会に事業を委託して実践研究を進め、教科等における授業の指導案や指導資料、教職員向けの研修資料を作成する。
各学校において効果的な授業を実施するため指導過程の解説動画を制作。一般向けの啓発動画も制作し、いじめの未然防止について広く発信する。
文科省の関係者は「いじめ未然防止に関する共通認識を持つことが大切。子どもたちが“いじめ”とは何かを認識し、理解してもらえるよう全国の教員に示すことができれば」と語る。
事業開始は7年度を予定しているが、いじめ・不登校施策の一部を補正予算案で前倒し措置することも検討しており、早期の事業化が見込まれる。
(国 2024-11-25付)
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