道内公立学校の不登校児童生徒 最多更新1万5089人 中学校は1学級3.2人該当
(国 2024-11-01付)

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 文部科学省は5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果を発表した。道内公立小・中学校、高校における不登校児童生徒数は1万5089人で過去最多を更新。中学校の1000人当たりの人数は82・1人となり、40人学級で3・2人が該当する結果となった。

 調査は、生徒指導上の諸課題の現状把握や今後の施策の推進に資するため毎年度実施しているもの。

 不登校の児童生徒数は増加を続けており、小・中学校では11年連続で増加。今回から不登校の要因に関する調査方法を改め、教員の認識ではなく不登校のきっかけや背景にある「事実」に基づく形式として複数回答形式に変更した。本人、保護者、スクールカウンセラーの確認を推奨する形式とした。

 結果、これまで不登校の要因の多くが「無気力・不安」と診断されていたが、友人関係、家庭的な要因、特別な教育的支援の求めなど子どもたちの背景・実態が多様化している現状があらためて浮き彫りになった。

 いじめの認知件数の総数は43・7%増の4万8074件。1000人当たりの認知件数は112・3件と全国平均の57・9件を上回っている。

 いじめ発見のきっかけはアンケート調査などの学校の取組が小学校で81・7%、中学校で66・7%と最も高く、本人からの訴えは小学校が10・9%、中学校が17・5%だった。

 国公私立学校を合わせたいじめの重大事態の発生件数は52件となり、前年度の34件から1・5倍に増加した。

 児童生徒間・教師に対する暴力行為は前年度比71・3%増の1249件とこちらも増加。各校種いずれも増加傾向にあり、特に小学校は2・3倍に増えている。

 不登校児童生徒数の増加を受けて道教委は、学びの多様化学校や校内教育支援センターの設置促進、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる相談体制の充実、ICTを活用した学習支援など多様な教育機会の確保に努めていく考え。

 このほか、心理・医療・福祉による有識者による講話を活用した校内研修動画の拡充を図り、効果的な支援の在り方の普及・啓発を図る。

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(国 2024-11-01付)

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