近美リニューアル基本構想素案 歴史的価値 後世に継承 道教委 現地改修で機能整備
(道・道教委 2024-11-27付)

 道教委は道立近代美術館リニューアル基本構想素案をまとめた。歴史的・文化的価値の継承などを図る観点から、現在の建物を活用して必要な機能を整備する方向性を示した。パブリックコメントを経て基本構想を決定したのち、施設整備・運営方法に関する基本計画の策定に着手する。

 近代美術館は昭和52年に開館。老朽化が著しく進行していることから①現地改修(既存施設を改修して収蔵庫を増築)②現地新築③移転新築(知事公館東側の南北約200㍍に整備)―の三つの整備案について検討してきた。

 有識者会議での意見や道民意見を聴取した結果、現建物の歴史的価値の継承が可能であるほか、環境への影響が最も少なく休館期間の短縮が見込める「現地改修案」での整備を決定した。

 リニューアルの方向性として、大規模の収蔵庫を増築するとともに、テラスを活用した諸室への転用、講堂の多階層化、機能の一部を増築・別棟にすることで必要な面積を確保する。

 展示室の面積も拡大。インバウンドへの対応、施設整備のバリアフリー化、障がい者や修学旅行などの団体が利用しやすい駐車スペースの確保を図る。カフェ、レストラン、ミュージアム・ショップに関しては1階部の増築や敷地内の別棟への移転など利用者以外の人が気軽に利用できるよう整備する。

 25日からパブリックコメントで子どもを含めて意見を募集。有識者会議での意見聴取を経て基本構想を固める。その後美術館の機能・役割をさらに具体化し、施設整備や運営方法に関する基本計画の策定に取り組む。

 リニューアルの整備に当たっては、行政・民間が連携して設計・建設・維持管理・運営等を行う「PPP」や民間の資金等を活用する「PFI」手法の導入について検討。結果を踏まえ今後のスケジュールを定める。休館期間中は移動美術館の開催や教育普及活動など機運醸成に向けた様々な取組を検討する。

(道・道教委 2024-11-27付)

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