帯広盲で中学部数学公開授業など 専門性向上へ学び合い 道視覚障害教育研究大会(道・道教委 2024-11-27付)
道視覚障害教育研究会
【帯広発】道視覚障害教育研究会(野戸谷睦会長)と全日本盲学校教育研究会北海道支部(野戸谷睦支部長)は14日から2日間、帯広盲学校(瘧師輝幸校長)を会場に教育研究大会をハイブリッド形式で開いた。研究主題「視覚に障害のある幼児児童生徒一人一人のニーズに応じた指導・支援の在り方の探究~個別最適な学びと協働的な学びの観点からの学習活動の充実」のもと、公開授業や分科会、教科等指導サークル研修を実施。視覚障がい教育に携わる道内の教育関係者約60人が参加し、専門性を高める指導力の向上を目指した。
初日は、同校の髙橋康教諭による数学科と髙橋誠教諭の国語科の授業を公開。このうち中学部2学年の数学科「かぞえよう」の授業で髙橋教諭は書見台を使用するとともに、教材が見やすく活動しやすいよう机上の配置を工夫する視覚的な配慮を凝らした。
買いたい品物を選択し、品物の値段と同じ硬貨を選んで支払う買い物のやりとりを確認したほか、選択したカードと同じ個数のフェルトボールを容器に入れる「フェルトボール(1~10)」を行うなど正しく数を数えることができるよう指導した。
公開授業後に行われた開会式で野戸谷会長は、北海道という広大な土地において支援を要する子どもたちが点在して各校に在籍するほか、ニーズが多様化していることに触れ「教職員はいつでも専門的な教育ができるよう努めていかなければ。専門的知見の具現化や授業の探究等について、学び合い研究を進める実り多い大会となるよう期待している」と呼びかけた。
大会長を務める瘧師校長は「分科会や講演を通じて多角的に視覚障がいについて知見を深めてほしい」と求めた。来賓あいさつでは十勝教育局の新山知邦局長が大会の成功を祈念し、祝辞を述べた。
このあと参加者は、国語、算数・数学、保健体育、幼児教育・早期教育、栄養教諭の五つの分科会で研究協議を交わした。
2日目には、焼肉レストラン平和園の新田隆教代表取締役による講演「日々未熟、日々前進」を実施。社会人になってから視覚障がいを発症した新田代表が日々の苦労や工夫点を紹介した。このほか、部会・分科会、教科等指導サークルを開くなど、支援が必要な子どものニーズを的確に捉えていくために研鑚を積んだ。
(道・道教委 2024-11-27付)
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