全国学力等調査北海道版結果⑦ 授業モデル動画活用 学び合いプロジェクトを展開 檜山(道・道教委 2024-11-27付)
【分析結果】
▼小学校
▽多くの学校で、児童一人ひとりに応じて、学習課題や活動の工夫をよく行い、安心して学べる授業づくりを進めたことなどによって、授業やテストで間違えたところや、理解していないところについて分かるまで教えてくれていると回答した児童の割合が全国および全道を上回ったとともに、全ての領域・事項で平均正答率が全国および全道を上回ったと考えられる
▽多くの学校で、児童の様々な考えを引き出したり、思考を深めたりするような発問や指導を取り入れた授業をよく行ったことなどによって「協働的な学び」の充実が図られ、友達との間で話し合う活動を通じて、自分の考えを深めたり、新たな考え方に気付いたりすることができていると回答した児童の割合が全国および全道を上回ったと考えられる
▼中学校
▽多くの学校で、国語の授業において、話題や展開を捉えながら話し合い、互いの発言を結び付けて考えをまとめることができるような指導をよく行ったことなどによって、自分の考えを相手に伝える力や友達の意見を聞く力が高まり、国語の「話すこと・聞くこと」の領域で平均正答率が全国および全道を上回ったと考えられる
▽全ての学校で、各生徒の様子を、担任や副担任だけではなく、可能な限り多くの教職員で見取り、情報交換をするとともに、生徒一人ひとりの良さを認める取組を進めたことなどによって、先生はあなたの良いところを認めてくれていると回答した生徒の割合が全国および全道を上回ったと考えられる
【管内教育の重点(学力)】
▼持続可能な社会の創り手としての資質・能力の育成
▽就学前から卒業後までを見通した教育を実現するためのカリキュラム・マネジメントの推進
▽「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を図るための、これまでの実践とICTとのベストミックス
【具体的な改善策】
▼学力向上に関する指導助言の質の向上
▽学校教育指導訪問とEBE協議会の取組を核として、各学校における学力向上に関する取組を支援する
▼エビデンスに基づいた検証改善
▽EBE協議会では、町教委訪問や管内で実施している中高連絡協議会等の取組との関連を図り、小学校から高校までを見通した検証改善サイクルの確立に向けた方向性を共有する機会とする
▼オール檜山「学び合い」プロジェクトの取組の推進
▽算数・数学科の系統的な指導やICTを活用した授業の充実が図られるよう、短時間の授業モデル動画の活用や継続的な研修の実施、地域課題に係る協議の実施を通して、管内の課題解決に向けた取組を推進する
平均正答率の経年変化(数値は全国平均との差)
小学校
中学校
【学力向上策に関連した特色ある取組】
▼教育局の学力向上策の概要
▽3年度から、算数・数学の系統的な指導やICTを活用した授業改善等、教職員の実践力の向上を図るための局独自のオンライン研修「オール檜山“学び合い”プロジェクト」(以下「学び合いプロジェクト」)を定期的に開催
▽研修動画のアーカイブ配信や専用サイトでの資料公開等によって、学校の小規模化が進む当管内の状況に応じた全ての教職員に対する研修体制を整備
▼学力向上策に関連した特色ある取組
〈取組のポイントとその具体〉
▽せたな町北檜山小=ICTを効果的に活用した授業改善
・ミドルリーダーは、ICTを効果的に活用した授業改善を図るため「学び合いプロジェクト」に参加し、以下の取組を行った
・先進校の実情を把握するため、他校種の教員と合同で、道外の学校を視察した
・実践につながる知識を習得するため、道教育大附属学校副校長等によるオンライン講義を受講した
・研修成果を校内はもとより管内で共有するため、授業構想シートを作成し、全道の教職員に対し、オンラインで授業を公開した
▽厚沢部町教委=家庭学習の充実による学力向上の取組
・厚沢部町教委において、1人1台端末の「持ち帰り学習」のルールを設定するとともに、学校を通じて家庭への周知を行った
・厚沢部町と教育局が連携し、教師のクラウド活用に関する理解の促進を目的に「学び合いプロジェクト」を実施し、授業と家庭学習との往還による主体的な学びの充実を図った
▼成果・課題
▽教員一人ひとりの状況を適切に把握し、授業実践の改善点等について個に応じた指導助言を行ったことによって、初任段階教員等を対象とした「Skill―Up BANSOAS」のアンケートにおいて、「授業を行うに当たって必要な考え方、構成、着眼点等について、根拠が示めされ、今後の学級経営の指針となる貴重な学びとなった」などの肯定的な回答が多く見られるなど、教員の資質向上につながってきた
▽ミドルリーダー教員が、視察↓研修↓実践の計画的な取組に主体的に参加したことによって、参加した教員はもとより、学校全体の授業改善が図られてきた
▽児童生徒の実態やニーズに応じたテーマおよび講師の選定、協議の充実および授業公開など、教員の主体的な参加を促す研修を実施したことによって、授業改善が図られてきた
▽1人1台端末の持ち帰りについて、町と教育局が連携し、持ち帰りの趣旨の理解やルールの徹底を図ったことによって、家庭学習の充実が図られてきた
▽成果が各学校において持続するよう、発展的な内容の研修企画や、学校訪問等の機会を用いた各学校のニーズに応じた指導助言を行う必要がある
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(道・道教委 2024-11-27付)
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