問う力発揮し世界広げ　北数教札幌支部が研究大会・上

（札幌市 2024-12-10付）

　道算数数学教育会小学校部会札幌支部（庄司ひさ子支部長）は１１月２９日、第５５回研究大会を開催した。市内の小学校６校を会場に、研究の重点「数学的に問う力を発揮し、算数の世界を広げる授業の創造」の具現化を図る６授業を公開した。本紙では、桑園小学校、元町北小学校を取材。授業の様子を２回にわたって紹介する。

◆桑園小１年　ひきざん

　桑園小１年４組「ひきざん」（柴山真千翔教諭、児童数３２人）では、繰り下がりのある減法を題材とした授業を展開した。

　単元ではこれまで「１２―９」の計算に取り組み、計算方法の一つである減加法について学んできた。

　８時間扱いの３時間目に当たる本時では、前時より引く数が小さい「１２―３」を扱った。新たな計算方法の減減法があることに気付かせるとともに、２通りの計算方法の違いや良さについて考えさせることを目指した。

　柴山教諭は導入で「どんぐりごまが１２個あります。○個使います。残りは何個になりますか」と問題を提示。引く数をマスキングして提示することで、前時との数字の違いを意識させた。

　引く数が「３」と前時より小さい数であることを伝え、１２個のブロックを使って計算に取り組ませた。

　ブロックは、１０のまとまりをオレンジ、残りの２個を白と色を分けることで、計算方法の違いに着目できるようにした。

　計算結果を交流すると、引いたブロックが３個ともオレンジの児童と、白２個オレンジ１個となっている児童に分かれていることが明らかに。これを踏まえ、柴山教諭は「どうして色が違うのか」と課題を示した。

　どのように計算したのか考えさせた上で、全体交流へ。児童たちは黒板の前で実際にブロックを動かしながら説明した。

　柴山教諭は児童たちの説明を板書にまとめ「最初に１０のまとまりから３を引いて、残りの７と２を足す」という前時と同じ方法（減加法）、「最初にばらの２を引いて、さらに１０のまとまりから１を引く」という新たな方法（減減法）の２通りの計算方法があることに気付かせた。

　これを踏まえ、１２―９でも減減法ができるか問いかけ、計算を試す場面を設定した。児童から「時間がかかるかも」「引く数が大きい時は、最初に１０のまとまりから引くやり方が良い」などの意見が。引く数の大きさによって計算方法を使い分ける良さを実感させた。

(札幌市 2024-12-10付)