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園長室から―未来育む札幌の幼稚園―　いつまでも心に残る幼稚園に　札幌市立もいわ幼稚園
（札幌市 2024-12-11付）

渡邉江吏子園長

▼わが園の強み

　本園は、藻岩の豊かな自然に囲まれ、園庭にはサクランボ、ブドウ、ウメなど、実のなる木がたくさんあります。子どもたちは、実がなると調理をして食べたり、遊びに使ったりしながら、四季折々の自然と関わり、園生活を楽しんでいます。

　また、隣には藻岩南小があり、園と小学校が連携プロジェクトを組み、幼児と児童の交流のほか、幼児が１年生の教室で授業体験をしたり、教員同士で互いに保育や授業を見て、学びについて意見交流をしたりするなど、幼小の円滑な接続を目指して交流を続けています。

▼園児の成長に向けて

　市立園は、研究実践園として幼稚園教育要領等を踏まえた教育活動の具体を幼児教育施設に発信する役割があります。本園は「家庭との連携」をテーマに中央幼稚園と合同で研究しています。保護者の参加型参観日「遊ぼうＤＡＹ」を行い、一緒に遊びながら子どもの成長と関わりのポイントを家庭と共有し、保護者と一体になって、子どもの成長を支えています。そのためにも、教師は子ども一人ひとりの良いところや遊びの中で育っていることを分かりやすく発信することを大切にしています。

▼保育の工夫

　７年３月で閉園のため、現在、園児は年長児６人の園生活です。多様な人と関わったり、大勢で遊ぶ醍醐味を感じたりできるために、どのようにしていくか悩み、ことししかできない特別な体験を工夫しています。

　例えば、多様な人との関わりを経験するために、路線バスに乗って区内の私立幼稚園に遊びに行き、一緒に遊んだり、家庭や地域の高齢者の方々、未就園児親子を招待してお祭りを行ったりしました。少人数であっても、幼児期に大切にしたい経験をしっかりと保障しています。

▼園長としての喜び・楽しみ

　もいわ幼稚園は４９年間、たくさんの子どもたちの「大好きな居場所」だったことでしょう。ことしの夏休みには、閉園前に修了児・保護者や旧職員が集まるイベントを行い、約２３０人が集まり、懐かしい時間を過ごしました。関係者からだけではなく、地域からも閉園を惜しむ声が多く、本当に、みんなに愛されている幼稚園だと、うれしく思うのと同時に、閉園しても、いつまでも心に残る幼稚園にしていきたいと、園長としての使命を感じる日々です。