札幌北九条小 実践発表会 比較方法見いだす指導 1年算数 根拠もとに水かさ調べ
(札幌市 2024-12-11付)

北九条小実践発表会公開研

 札幌市立北九条小学校(野切卓校長)は11月29日、第26回教育実践発表会を開いた。研究主題「自ら未来を創る子どもの育成」のもと、各教科や特別支援教育など22授業を公開。1年生の水かさを調べる算数科の授業では、児童が根拠を持って意思決定ができるよう、媒介物を選ばせる場面設定や問いによって、より良い比較方法を見いだす指導の工夫を披露した。

 同校では、予測困難なVUCAの時代を生きる児童が自ら物事を判断し、社会に出て活躍するための力を身に付けられるよう、4年度から研究主題を「自ら未来を創る子どもの育成」に設定。児童が目標や目的について根拠や理由を持って判断決定ができる過程を取り入れる授業研究を進めるため、副主題は「子どもが意思決定する授業」とした。

 当日は市内の教職員ら約260人が参加。公開授業のうち、1年算数科「くらべかた」は西久保宏樹教諭が指導した。水の量の比較方法を決め「何の大きさをくらべているのか」を明確化できるよう、測定の見通しを共有しながら学習を進めた。

 西久保教諭は児童一人ひとりが持ち寄った水筒の水の量について「誰の水筒の水が最も多いだろうか」と質問。個人によって形状が異なる水筒を比較対象としたことで、児童は「別の容器に移し替えるしかない」と直接比較が成り立たないことを確認。西久保教諭は「そういう場合はどうしたら良いかな」と投げかけ、「コップを使って比べてみる」という児童の発想を引き出した。

 西久保教諭は大小2種類ある透明なコップを用意し、児童に各グループで比較方法を考えさせる場を設定。

 各グループでは、小さなコップを複数用意して水の量を比べたり、二つの大きなコップに多量の水を移し替えて比較したりした。異なる大きさのカップを使用している児童に対しては「同じ水の量になっているかな」と机間指導。同じ容器に移し替えたものでなければ、比較が成り立たないことを確認させた。

 全体共有の場で西久保教諭は、それぞれの比較方法を黒板に絵で示し「大きいコップと小さいコップで比べる違いはなんだろうか」と発問した。

 児童は「大きいコップだと、多くの水の量を少ないコップで比べられる」「小さいコップではいくつも並べて確認できる」と説明。西久保教諭は「水の量を調べるには二つの比べ方があることが分かったね」と、それぞれの比較方法の良さを確認し、比較方法には選択肢があることを理解させた。

 公開授業後は研究協議を実施。文部科学省初等中等教育局主任視学官の田村学氏が特別講演を行った。

(札幌市 2024-12-11付)

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