文科省 精神疾患の病気休職教職員 過去最多の7119人 児童生徒指導26・5% 20代顕著(道・道教委 2024-12-24付)
教職員の精神疾患による病気休職者数は3年連続で増加し、7119人と過去最多を更新したことが文部科学省の5年度公立学校教職員の人事行政調査で分かった。教職員全体に占める割合は3年連続で上昇して0・77%でこちらも過去最高。要因は「業務内容(児童生徒に対する指導そのものに関する事項)」「職場の対人関係(上司、同僚、部下等)」が2割以上と高く、特に20代までで多い傾向にある。
調査は、教職員の人事管理に資するため毎年度実施。都道府県・指定都市の67教育委員会を対象に、全校種の学校における教職員の状況を調べた。
精神疾患による病気休職者の総数は前年度比580人増の7119人。在職者に占める割合は0・6ポイント上昇して0・77%。
精神疾患による病気休職の要因を教育委員会に調査した結果、業務内容(児童生徒に対する指導そのもの)、職場の対人関係(上司、同僚、部下等)、業務内容(校務分掌、調査対応などの事務的業務)」が上位を占め、いずれも20代で顕著となっている。一方、家族など個人的な対人関係、地域住民・保護者など職場外の対人関係に関しては40代が最も高かった。
校種別にみると、小学校の20代では「業務内容(児童生徒に対する指導そのもの)」が46・9%と最も高いが、職場の対人関係に関しては17・7%と他校種と比べて低い。高校・特別支援学校においては各年齢いずれも職場の対人関係が1位となっている。
文科省は今後、メンタルヘルス不調の未然防止、早期発見・早期対応、再発防止に向けた効果的な事例を周知するとともに、医学的知見を踏まえ病気休職への対応策の体系的な整理を行う。また、ストレスチェックの実施徹底など労働安全衛生管理体制の整備を図っていくとしている。
懲戒処分・訓告等を受けた教職員数は257人増の4829人。このうち体罰による懲戒処分は54人減の343人、不適切指導に関しては91人増の509人だった。
性犯罪・性暴力やセクハラによって懲戒処分を受けた教職員は79人増の320人。このうち、児童生徒に対するものは38人増の157人だった。
女性管理職の数は724人増の1万6658人。管理職に占める割合は1・2ポイント上昇して24・9%となった。このうち校長は1・5ポイント上昇して22・2%、副校長・教頭は0・9ポイント上昇して27・2%といずれも過去最高の割合となっている。
管理職選考において特別支援教育の経験(特別支援学級担任、通級指導、特別支援学校における指導、特別支援教育コーディネーターなど)に関する情報を把握・管理している教育委員会は3・0ポイント上昇して29・9%。このうち70・1%が把握・管理した情報を管理職選考で考慮している。
文科省は調査結果を踏まえ、人事行政を適切に行う上での留意事項を通知するほか、人事担当者を集めた研修会で周知する。
(道・道教委 2024-12-24付)
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