留萌管内の部活動地域移行の現状 持続的な受け皿整備急務  第9回
(道・道教委 2024-12-23付)

指導者確保が課題

 

 留萌市内における部活動地域移行が進む一方で、管内全体に目を向けると、地域の過疎化を背景に、受け皿となる外部指導者の確保が課題になっている。

 市内の中学校2校は5年度から、陸上、バレー、卓球の3種目で休日や平日の週1、2日程度、地元のスポーツ団体が指導を担っている。本年度からはソフトテニス、バスケットボールの2種目でも同様の取組を試行。一部顧問が指導を担う部活動もある中、バスケットボールでは「完全クラブ化」を見据えるなど、地域移行に向けた動きが着実に進んでいる。

 

 一方、市外では指導者の確保が深刻な課題だ。例えば、増毛町では町内で確保できる指導者はゼロ。小平町では検討協議会立ち上げまでは進んだものの、受け皿が見つからない状況。同様の困り感を抱えている自治体は多い。

留萌市は独自に

人材バンク検討

 

 ほっかいどう部活動・地域クラブ活動サポーターバンクをみると、留萌管内における運動部活動の登録者は14人にとどまる。市の検討委員会は、さらなる人材の掘り起こしを目指して、独自の人材バンク設置に向けた検討を進めている。

 

 市教委教育政策課教育推進係の大川雄介係長は「教員の働き方改革や子どもたちの持続的なスポーツ・文化活動の構築には、平日・休日共に指導が可能な複数人の指導者を確保することが必要」と訴える。持続的な受け皿を整備するため、近隣自治体との広域連携なども視野に入れているという。

 

 留萌教育局は今後、地域移行に関する管内市町村の課題などの把握に向けて聞き取りなどを行う方針だ。瀬越義範教育支援課長は「市町村間をつなぐ架け橋として、議論の場を整えていく役割を果たしたい」と力を込める。

 

 人口戦略会議がことし4月に発表した報告書では、管内8市町村のうち、6市町が消滅可能性自治体に指定されている。こうした地域では、将来的に子どものニーズに沿った部活動ができない可能性も浮かぶ。持続可能なスポーツ環境の整備に向けては、自治体間の課題共有に基づいた早急な方策の検討が求められている。

(道・道教委 2024-12-23付)

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