【解説】学習費 公立私立の差広がる
(解説 2025-01-07付)

 文部科学省の5年度子供の学習費調査結果によると、1年間の学習費の総額は公立小学校と私立高校を除く全ての学校種で増加したことが分かった。幼稚園から高校まで全て公立で通った場合は最小の約596万円、全て私立の場合は最大の1976万円とその差は3・3倍となり、公立・私立の差が拡大している。

 調査は平成6年度から隔年で実施。保護者が支出した1年間の子ども1人当たりの経費を調べた。

 1年間の学習費の総額は、公立小学校が33万6265円、私立小学校が182万8112円、公立中学校が54万2475円、私立中学校が156万359円などとなっている。

 2年前と比べると、公立小学校では約1万6000円減少した一方、私立小学校では約16万1000円増加しており、公立・私立の差が顕著になっている。私立幼稚園では公立の1・9倍、私立小学校では5・4倍、私立中学校では2・9倍、私立高校(全日制)では1・7倍になった。

 公立小・中学校における給食費は約1000~2000円と減少したものの、通学費、図書・学用品・実習材料費などが各校種いずれも増加傾向に。特にコロナ禍が明けたことで修学旅行費が増加している。

 学習塾費をみると、公立小学校が約5万6000円、私立小学校が約26万4000円、公立中学校が約23万円、私立中学校が約16万8000円、公立高校が約14万8000円、私立高校が約11万3000円となり、中学・高校では公立が私立を上回っている。

 学習塾費を2年前と比較すると、公立小学校で約2万5000円、公立中学校で約2万円、私立高校で約5万8000円減少した一方、公立高校でのみ約2万8000円増加しており、公立高校生の通塾率が上昇したことを示唆している。

(解説 2025-01-07付)

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