【解説】端末利用で学習意欲向上
(解説 2025-01-10付)

 1人1台端末の活用が学習意欲の向上に寄与することが、ICT市場調査コンサルティングの(株)MM総研の調査で分かった。端末を活用した学習の満足度はGIGA世代(中学1年生、高校1年生)の75%に対して非GIGA世代(大学生)が36%と差が見られたほか「グループワークが増えた」「授業の理解度が高くなった」と回答した割合もGIGA世代の方が高かった。

 調査は生徒の学習意欲の向上やIT関連の職業に対する興味への貢献を把握するために実施。対象は中高生や大学生1200人。調査時点は6年11月。

 「パソコンやタブレットを使った学習の方が楽しい」と回答した割合はGIGA世代が38%、非GIGA世代が30%。「授業中にグループワーク・ペアワークが増えた」との設問ではGIGA世代が31%、非GIGA世代が17%だった。

 また「宿題・ワークの提出が簡単になった」「授業の理解度が高くなった」「勉強へのモチベーションが高まった」の設問もGIGA世代が非GIGA世代を上回った。

 「新しい技術を積極的に取り入れる企業で働きたい」と回答した割合はGIGA世代が55%、非GIGA世代が48%と差はわずかだったが「パソコンやタブレットを使った学習の方が楽しい」と回答した者の61%がデジタル関係の職種に興味を抱いており「楽しいと思わない」と回答した36%を上回っている。

 MM総研は、端末の利用頻度が高まることで授業での活用のノウハウが構築され、GIGA世代の学習意欲の向上に影響していると分析。学習意欲が高い子どもはICT関連への職業への興味も高いことから、教育分野におけるICT活用が将来的な国内のIT産業における人材不足解消に寄与すると期待している。

(解説 2025-01-10付)

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