【解説】安全教育の実践事例

（解説 2025-01-16付）

　子どもたちの生涯にわたって安全に関する資質・能力の基盤となる安全教育。道内各地で様々な実践が行われており、道教委の６年度安全教育実践事例集では、生活安全・交通安全・災害安全で効果的な取組を行っている学校の事例を掲載している。

　このうち苫前商業高校の取組として、目撃情報をもとにクマの遭遇率を可視化したハザードマップ「くまっぷ」を作成する探究活動を紹介。ヒグマ防除・捕獲技術研修会に参加して学びを深めるなど関係機関と連携した取組を進め、地域課題に対して主体的に考える態度を育んでいる。

　交通安全では、中学校を中心に自転車通学時のヘルメット着用を義務化し、警察・保護者と連携して交通安全への意識を高めている鹿追町を掲載している。

　防災教育は平成２３年の東日本大震災、３０年の胆振東部地震を契機に導入が加速。本道独自の１日防災学校は２９年の札幌市立北郷小学校から始まり、校種を越えて広がっている。

　本年度のモデル地域となった浜中町は千島海溝と日本海溝で発生する巨大地震を想定し、行政・地域住民の安全意識が特に高い地域。霧多布中学校は昨年１１月、町の防災総合訓練に参加し、地域で災害を考える重要性について理解を深めたほか、１日防災学校では端末を使って作成した防災小説の内容を共有・協議し、新たなアイデアや改善点の発見につなげた。

　高校生が防災の担い手となる取組も広まっている。令和元年９月の「世界津波の日」高校生サミット開催を契機にスタートした道教委の高校生防災サミットは本年度で４年目を迎え、道内各地の高校生が地域の課題に対応した防災教育の実践を発表。各学校でまとめた「防災アクションプラン」をまとめ、ＳＮＳを通じて発信している。

(解説 2025-01-16付)