【解説】いじめ重大事態の要因を分析
(解説 2025-01-22付)

 文部科学省とこども家庭庁は8日、いじめの重大化要因等の分析・検討会議の初会合を開催した。大学教授や弁護士などの専門家が参画し、いじめ重大事態調査報告書を活用した未然防止に向けて分析を開始。7年度中に内容を取りまとめ、学校現場に周知するとしている。

 いじめの5年度認知件数は73万2568件で過去最多を記録。いじめ重大事態の発生件数は1306件とこちらも過去最多となり、10年前の7・2倍に増加している。いじめ重大事態全体の約4割は重大事態に至るまでいじめとして認知されておらず、認知された時点で重大事態となっているケースも多かった。

 このため政府はいじめの重大化要因等の分析・検討会議を新たに設置。全国の重大事態報告書を分析することで、いじめの端緒や予兆、「誰が・いつ・どのような対応を行えば重大化しなかったか」などの要因を把握し、学校の設置者および学校における未然防止対策に活用する。

 会議の構成員は大学の教授、心理の専門家、大学生など7人で構成。月1回程度、非公開で開催する。第1回会議では、重大事態調査報告書を読む注意点などについて意見交換。次回以降の会議において具体的な議論に入る。

 文科省は昨年8月にいじめの重大事態調査に関するガイドラインを改訂。重大事態の発生を防ぐ学校いじめ対策の役割、学校設置者と連携した対応を行う基本的姿勢、調査組織における第三者性の確保や保護者からの申し立てがあった場合の対応などを追記した。

 7年度からは警察OBなど他職種の専門家で支援するモデル事業の開始を計画。いじめ未然防止教育のモデルとなる指導案・指導教材の作成にも着手し、8年度から全国の教育委員会・学校での普及を図る。

(解説 2025-01-22付)

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