【解説】時間不足、環境整備が壁に(解説 2025-01-20付)
文部科学省は校務DXチェックリストに基づく自己点検結果をまとめた。業務改善に最も効果があった取組は、朝の電話対応の業務負担が軽減する「欠席・遅刻・早退連絡のデジタル化」。取組が進んでいない要因に、多くの学校が検討する時間の不足、環境面の整備を挙げている。
対象は全国の公立小・中学校2万6014校、回答率は90・2%。調査期間は6年9月27日~11月8日。
教職員の働き方改革の改善の効果実感が最も高かった取組は「児童生徒の欠席・遅刻・早退連絡のデジタル化」で97・7%が肯定的に回答。つぎに「保護者への調査・アンケートをクラウドで実施」「保護者からの提出資料をクラウドで受付」「教職員への調査・アンケートをクラウドで実施・集計」と続いた。
また、取り組んでいる学校は少なかったものの、業務改善の効果が高かった取組は「保護者との日程調整をクラウド化」「教職員が作成した教材をクラウドで共有」「生成AIの校務活用」「行事日程、施設や特別教室の利用予約」などで、未実施の学校で取り組むことで高い効果が見込まれる。
校務DXの取組が進まない要因(複数回答)は「取組の実施について学校内で検討する時間がない(42・6%)」「教育委員会によって環境面が整備されていない(33・7%)」「環境面・ルールは問題ないがICT活用に対して不安がある(29・6%)」が高い。教育委員会によるルールの未整備や、ルールで禁止されているとの回答も一定数あった。
クラウド活用の前提となる教育情報セキュリティポリシーの策定率は48・1%。文科省は技術的なコンサルタント費用を補助する事業を6年度補正予算で計上しており、必要に応じて活用するよう教育委員会に求めている。
(解説 2025-01-20付)
その他の記事( 解説)
【解説】国研 いじめ追跡調査
国立教育政策研究所生徒指導・進路指導研究センターは、いじめ追跡調査2019~2022をまとめた。児童生徒が最も経験しているいじめ被害は「仲間はずれ、集団による無視をされる」で、文部科学省の...(2025-01-27) 全て読む
【解説】4年度指定校 SSH中間報告
文部科学省は、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)について、4年度指定校の中間評価実施結果を公表した。 文科省は、国際的な科学技術人材育成を図るため、科学技術、理科・数学教育に関す...(2025-01-24) 全て読む
【解説】障がい特性の理解・配慮を
道こども施策審議会障がい児支援部会は、障がいのある子ども当時者からの意見聴取実施結果報告書をまとめた。子どもたちからは、障がい特性への理解・配慮や点字ブロック・音声信号を増やすよう求める声...(2025-01-23) 全て読む
【解説】いじめ重大事態の要因を分析
文部科学省とこども家庭庁は8日、いじめの重大化要因等の分析・検討会議の初会合を開催した。大学教授や弁護士などの専門家が参画し、いじめ重大事態調査報告書を活用した未然防止に向けて分析を開始。...(2025-01-22) 全て読む
【解説】配慮必要な生徒へサンプル問題
国立教育政策研究所は17日、拡大文字やルビ振りに対応した7年度全国学力・学習状況調査のCBTサンプル問題(中学校理科)を公開した。視覚障がいのある生徒や日本語指導が必要な生徒に配慮した問題...(2025-01-21) 全て読む
【解説】就学援助 道内は17%
文部科学省は、5年度就学援助実施状況調査結果を公表した。就学援助の道内対象者は5万957人で前年度から666人減少。実施率は17・59%で全都道府県中7番目に高かった。 学校教育法では...(2025-01-17) 全て読む
【解説】安全教育の実践事例
子どもたちの生涯にわたって安全に関する資質・能力の基盤となる安全教育。道内各地で様々な実践が行われており、道教委の6年度安全教育実践事例集では、生活安全・交通安全・災害安全で効果的な取組を...(2025-01-16) 全て読む
【解説】道内若者 自身の価値観低い傾向
道内の若者は「自分には人に誇れる個性がある」「自分の行動で、国や社会を変えられると思う」など自身の価値観について、他の都道府県に比べ低い傾向にあることが日本財団の第67回18歳意識調査で明...(2025-01-15) 全て読む
【解説】教職員の未配置拡大
全日本教職員組合は9日、教職員未配置の実態調査結果(昨年10月1日時点)を公表した。34都道府県11政令市で4739人の教職員が未配置となっており、5ヵ月前と比べ1・38倍に増加しているこ...(2025-01-14) 全て読む
【解説】端末利用で学習意欲向上
1人1台端末の活用が学習意欲の向上に寄与することが、ICT市場調査コンサルティングの(株)MM総研の調査で分かった。端末を活用した学習の満足度はGIGA世代(中学1年生、高校1年生)の75...(2025-01-10) 全て読む