【解説】配慮必要な生徒へサンプル問題

（解説 2025-01-21付）

　国立教育政策研究所は１７日、拡大文字やルビ振りに対応した７年度全国学力・学習状況調査のＣＢＴサンプル問題（中学校理科）を公開した。視覚障がいのある生徒や日本語指導が必要な生徒に配慮した問題で、１人１台端末を使って閲覧するイメージを把握することができる。

　７年度は教科に関する調査を小・中学校の国語、算数・数学、理科で実施し、うち中学校の理科調査、児童生徒質問調査、学校質問調査をオンラインによるＣＢＴ形式で実施する。

　文部科学省は昨年１０月末、初の全面ＣＢＴ実施となる理科調査のサンプル問題を公開。これまでの悉皆調査と同様、ＣＢＴ問題においても特別な配慮が必要な生徒向けに対応した問題を用意した。

　内容は１０月に公表した問題とほぼ同様となっており「適切なルーペの使用方法の動画を選択する問題」「図を移動させて化学変化のモデルを作成する問題」などを示している。

　本番に向けて操作の確認を行う事前検証は１～３月に各学校で実施し、対象者全員が４月の調査当日に近い環境でサンプル問題に取り組む。

　紙による教科調査の基準日は７年４月１７日。中学校の理科調査と生徒質問調査は４月１４～１７日のいずれか１日、小学校の児童質問調査は４月１８～３０日、学校質問調査は４月１～１７日のいずれか１日でオンラインで実施する。

　今回の理科調査では、児童生徒ごとに異なる問題を割り当てるＩＲＴ（項目反応理論）を新たに導入。学習指導要領の各領域からこれまで以上に多くの問題が出題される。

　また、中学校の生徒質問調査の一部では質問項目群から無作為に選ばれた一部の項目を質問する「ランダム方式」を試行的に導入する。

(解説 2025-01-21付)