【解説】国研 いじめ追跡調査
(解説 2025-01-27付)

 国立教育政策研究所生徒指導・進路指導研究センターは、いじめ追跡調査2019~2022をまとめた。児童生徒が最も経験しているいじめ被害は「仲間はずれ、集団による無視をされる」で、文部科学省の問題行動調査で最多だった「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」よりも多い結果に。一方で「仲間はずれ、集団による無視をされる」は、教師や周囲の児童生徒などの第三者から気付かれにくい行為であることが分かった。

 調査は、大都市近郊で住宅地や商業地、農地等の域内にある小学校と中学校で実施したもの。小学4年生~中学3年生4000人超の児童生徒を対象に、毎年6月末と11月末の年に2回、4年間で計8回の質問紙調査を行った。

 「暴力を伴わないいじめ」の被害経験率をみると、小学校は13年から50%前後、中学校は40%前後で推移し、コロナ禍前の19年までは漸減傾向にあることが分かった。

 児童生徒が最も多く経験しているいじめ被害は「仲間はずれ、集団による無視をされる」。文科省の問題行動調査で最多だった「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」の割合よりも多かった。

 一方、教師の回答で「仲間はずれ、集団による無視をされる」は、小学校・中学校共に3番目。児童生徒の回答とギャップがあり、教師に認知されにくく、周囲の児童生徒にも気付かれにくい態様であることが浮かび上がった。

 同センターでは、いじめ防止対策推進法以降、認知件数(特に小学校)が急激に増えている状況を指摘。「依然として認知できていない事案も存在している。これら見逃しやすいいじめの態様であるという認識のもと、対応することが望まれる」としている。

(解説 2025-01-27付)

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