【解説】子どもの自殺 過去最多に(解説 2025-01-31付)
令和6年の児童生徒の自殺者数は527人となり、調査が開始された昭和55年以来、過去最多になったことが警察庁および厚生労働省の統計調査(暫定値)で分かった。500人を上回ったのは3年連続。特に中高生の女子の自殺者が増加しており、全体に占める割合は53・5%に上っている。
わが国における自殺者数の総数は減少傾向にある一方、児童生徒の自殺者数は令和元年の399人から増加している。6年は小学生が2人増の15人、中学生が10人増の163人、高校生が2人増の349人となった。
男女別では中高生の女子で増加傾向にあり、中学生の女子は19人増の99人、高校生の女子は17人増の183人。中高生女子の自殺者数の全体に占める割合は6・0ポイント上昇して53・5%となった。
学校問題が要因とみられる自殺者数(大学生含む)は54人増の578人。内訳は「学業不振」「進路」「学友との不和」の順に多く、前年度と比べ「進路」「学友との比較」「いじめ」などで増加した。
29日の記者会見で橘慶一郎内閣官房副長官は、子どもの自殺者数が過去最多になったことを「重く受け止めている」とした上で、SNSを活用した相談事業の拡充、1人1台端末による自殺リスクの把握、他職種の専門家で構成する若者の自殺対策チーム立ち上げの支援などに関係省庁が連携して取り組んでいくと述べた。
自殺の要因に関しては生前の状況や直前の出来事の詳細な情報を収集・分析する必要も指摘されている。いのち支える自殺対策推進センターは、ハイリスクと考えられる子どもへのケアの強化、自殺のサインを見逃さないための啓発などの取組をさらに推進する必要があるとしている。
(解説 2025-01-31付)
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