【解説】学習指導要領改訂へ議論(解説 2025-01-30付)
中教審初等中等教育分科会は28日、次期学習指導要領改訂に関わる諮問事項の審議を開始した。委員からはデジタル学習基盤を前提とした教育内容の充実、教師に「余白」を生む柔軟な教育課程の重要性について指摘された。
昨年12月末、阿部俊子文部科学大臣は中教審に①初等中等教育における教育課程の基準等の在り方②多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策―を諮問。
中教審は8年度中をめどに答申をまとめるとしており、現行の学習指導要領と同様のスケジュールで準備が進んだ場合、次期学習指導要領は小学校が12年度、中学校が13年度、高校が14年度から導入となる。
委員は、教育分野における生成AI活用の可能性が広がるとともに、情報の真偽・有用性の判断など情報活用能力の育成がより重要になっていくと指摘し、次期学習指導要領ではデジタル学習基盤を前提とする教育課程の編成を提案。また、中学・高校においてビッグデータ、生成AI、メディアリテラシーなどを専門的な学びとして取り入れるよう求めた。
教師に「余白」を生む柔軟な教育課程を編成する重要性に関しては多くの委員が言及。特例校で行われている標準授業時数弾力化などを教育委員会・学校判断で行う方向性に賛意が示された。
専門性を深める教育研究団体の重要性も指摘され、教育委員会・大学と連携して独自に研修が進める仕組みの構築などを盛り込むよう提案した。
初等中等教育の前段階となる幼児教育と小学校教育の連携・接続、家庭教育の重要性についても触れ「低年齢、または家庭段階からの接続とともに、幼児教育と初等中等教育の質を合わせていくことも重要になる」と意見した。
(解説 2025-01-30付)
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