【解説】夜間中学に通う生徒1・3倍増
(解説 2025-02-04付)

 夜間中学に通う生徒が2年間で約1・3倍増加していることが文部科学省の6年度夜間中学等に関する実態調査で明らかになった。

 調査は、昨年5月1日時点。夜間中学における就学の機会の提供や、教育機会確保法に定める内容に関する各地方公共団体の対応状況や既存の夜間中学の実態等を調査した。

 公立夜間中学に通う生徒数は、前回調査時(4年5月1日時点)と比べ、411人増の1969人。特に39歳以下の若年層の生徒数が約1・4倍増加した。

 日本国籍を有する生徒数は194人増の713人と約1・4倍に。日本国籍を有しない生徒も217人増の1256人となり、増加率は約1・2倍となった。

 外国籍の生徒の国籍は、中国が28・5%と最も多く、ネパール(22・9%)、フィリピン(9・6%)、韓国・朝鮮(8・3%)などと続いた。

 1校当たりの平均生徒数は37・2人。前回調査時に全国で3番目に多かった札幌市立星友館中学校の生徒数は、守口市に次ぐ2番目となる113人まで増加した。

 夜間中学に通う理由をみると、日本国籍の生徒は「中学校の学力を身に付けたい」が半数以上を占め、次いで「高校に入学するため」「読み書きができるようになるため」などの順に多い。外国籍の生徒は「日本語を話せるようになるため」が最多で「高校に入学するため」「読み書きができるようになるため」などと続いた。

 5年度に夜間中学を卒業した生徒は309人。日本国籍の生徒が93人、外国籍の生徒が216人となっている。

 不登校となっている学齢生徒の受け入れについては、53校中33校が「検討していない」と回答。「今後、ニーズを把握しつつ、検討を開始する予定」など検討中の学校は約4割あった。

(解説 2025-02-04付)

その他の記事( 解説)

【解説】子ども条約の認知度32・3%

 道こども施策審議会こども施策部会は、仮称・道こども基本条例素案に関わる子どもの意見募集結果をまとめた。子どもの権利条約について32・3%が「詳しく知っている」「知っている」と回答。子どもが...

(2025-02-14)  全て読む

【解説】子どもの前兆事案が増加

 令和6年に認知された子どもに対する前兆事案は154件増の574件となり、2年連続で増加したことが道警の調査で分かった。児童売春・児童ポルノ法、青少年育成条例違反などの福祉犯の被害者数は98...

(2025-02-13)  全て読む

【解説】教員欠員 3割近くの可能性も

 6年度当初に教員の欠員が生じた小・中学校は21・0%、年度途中を含めると30%近くまで上昇している可能性があることが、全国公立学校教頭会の6年度調査で分かった。教員採用試験の倍率低下によっ...

(2025-02-07)  全て読む

【解説】自殺予防教育を全国展開

 児童生徒の自殺者数が過去最多を記録する中、文部科学省は7年度から自殺予防教育の指導モデルの全国への普及促進を図るモデル事業の着手を計画している。こども家庭庁では自殺の要因を多角的に分析する...

(2025-02-06)  全て読む

【解説】海外インクルーシブ教育調査

 全国都道府県教育委員会連合会は、フィンランド・英国のインクルーシブ教育の制度・実情をまとめた海外調査事業報告書を公表した。両国の制度の優れている点や課題を整理し、わが国における特別支援教育...

(2025-02-05)  全て読む

【解説】大綱改定へ子ども意見

 道は、道総合教育大綱の改定に向けて実施した子ども向けパブリックコメントの結果をまとめた。基本理念で特に重要なものとして、半数以上が「教育の機会均等」「ウェルビーイングの向上」「子どもの意見...

(2025-02-03)  全て読む

【解説】子どもの自殺 過去最多に

 令和6年の児童生徒の自殺者数は527人となり、調査が開始された昭和55年以来、過去最多になったことが警察庁および厚生労働省の統計調査(暫定値)で分かった。500人を上回ったのは3年連続。特...

(2025-01-31)  全て読む

【解説】学習指導要領改訂へ議論

 中教審初等中等教育分科会は28日、次期学習指導要領改訂に関わる諮問事項の審議を開始した。委員からはデジタル学習基盤を前提とした教育内容の充実、教師に「余白」を生む柔軟な教育課程の重要性につ...

(2025-01-30)  全て読む

【解説】学び合う職場環境を重視

 道教委は教職員研修に関するアンケート結果をまとめた。子どもたちの学びのロールモデルとなる「新たな教師の学びの姿」を実現するため、管理職の7割が「教員同士が連携・協働して学び合う職場環境づく...

(2025-01-29)  全て読む

【解説】大学生の内定率 84・3%

 文部科学省と厚生労働省は24日、7年3月大学等卒業者の就職状況調査(12月1日現在)を公表した。大学生の就職内定率は84・3%で前年同期と比べ1・7ポイント下降。各種業界の人手不足は依然と...

(2025-01-28)  全て読む