【解説】デジタル教科書 検定対象に
(解説 2025-02-18付)

 中教審のデジタル教科書推進ワーキンググループは14日、デジタル教科書の今後の在り方の中間まとめを決定した。1月に示した論点に基づき、デジタル教科書を検定・採択・無償給与の対象とする正式な教科書として位置付けることを明確化。8年度までに教科書の著作、編集、検定、採択、給与に関する必要な制度改正を行い、小学校の次期学習指導要領が始まる12年度から適用する。

 現行法令では紙の教科書を主たる教材とし、デジタル教科書は紙の教科書と同一の内容とする「代替教材」として位置付けられている。文部科学省は小・中学校の英語、算数・数学の2教科でデジタル教科書の先行導入を進めており、英語の音読機能の活用による発語数の増加や、図形・関数のシミュレーション機能による思考の深まりなどの効果が報告されている。

 また、書き込み・削除の機能は試行錯誤しながら思考を形成することに効果が見られ、音声・動画などのデジタルの機能は、聴覚的理解、空間的理解、時系列的な理解を助けることにつながっている。教育現場の多様な教育ニーズに適切に対応できる柔軟な制度設計にするため、デジタル教科書を正式な教科書として位置付ける。

 デジタルと紙を組み合わせたハイブリッド形態の教科書の在り方も認める。英語の音読機能や算数・数学の回転図形などのシミュレーション機能をデジタル媒体に、概念の習得や最低限の知識を紙媒体にすることが考えられ、採択に当たっては各教育委員会が紙・デジタル・ハイブリッドのいずれかを選択する。

 今後、採択権者による選択を見据えた段階的な導入方法の在り方、効果的な活用方法の発信や教員の指導力向上、アカウントの負担軽減や健康影響への対応などの論点を検討する。

(解説 2025-02-18付)

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