【解説】自殺予防教育の効果(解説 2025-02-21付)
国の自殺対策白書によると、小中高生の自殺者数は令和2、3年にかけて急増しており、特に自殺未遂歴のある女子の割合が上昇している。4年以降は自殺未遂歴のあった自殺者の過半数が1年以内に自殺未遂を行っており、特に小学生・高校生の女子は自殺から1ヵ月以内に自殺未遂歴があった割合が高いことが分かった。
女子の自殺者が増加している要因は定かではないが、著名な芸能人の自殺事案発生後に自殺者が増加する傾向もあることから、連鎖する可能性を懸念する声もある。
南茅部高校、帯広柏葉高校(定時制)、礼文高校、浜頓別町教委は、国の委託を受けて本年度から自殺予防の調査研究を開始。心身の状態を把握するアセスメントツールの活用、ストレスマネジメント教育を学ぶ校内研修、援助希求的態度を育む授業実践に取り組んできた。「周囲の人のサインに気付ける生徒が増えた」「他者を認め、話を聞こうとする生徒が増えた」などの声があり、相談しやすい環境づくり、生徒の自己理解・他者理解の深まりなど、人間関係を構築する力の向上に効果が見られている。一方、学校で取り組む時間の確保、教職員の共通理解、保護者との情報共有などの課題もあるという。
6年の児童生徒の自殺者数は527人と過去最多になり、文部科学省は10日付で都道府県・指定都市教委に通知を発出。①1人1台端末を活用した心の健康観察②関係機関と連携した教育相談体制の構築③相談窓口の周知および自殺予防教育の実施―の3点を求めている。
7年度は本年度の実践研究の成果をもとに自殺予防教育の教材・指導資料を作成する予定で、全国から10地域程度をモデル地域に指定して普及促進を図る考えだ。
(解説 2025-02-21付)
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