【解説】大学生の内定率　過去最高

（解説 2025-03-19付）

　文部科学省と厚生労働省は１４日、６年度大学等卒業予定者の就職内定状況（２月１日現在）を公表した。大学生の就職内定率は前年同期と比べ１・０ポイント上昇し、過去最高の９２・６％に達した。北海道・東北地区では５・６ポイント上昇し９１・３％となった。企業の人手不足などを背景に学生側の売り手市場になっている状況がうかがえる。

　調査は、大学、短大、高専、専修学校卒業予定者の就職内定状況等について実態を把握し、就職問題に適切に対処するための参考資料を得るため平成８年度から実施。統計法による抽出調査で、全国１１２校の５６９０人を対象に調査した。

　大学、短大、高専を合わせた就職内定率は９２・１％で、前年同期と比べ０・７ポイント上昇。専修学校を含めると０・９ポイント上昇し９１・７％になった。

　うち短大は０・８ポイント低下し８４・９％、高専は０・８ポイント低下し９７・９％、専修学校（専門課程）は２・３ポイント上昇し８７・８％だった。

　大学生の就職内定率を男女別にみると、男子が１・０ポイント上昇し９１・６％、女子が１・０ポイント上昇し９３・８％。文系・理系別では、文系が０・９ポイント上昇し９２・７％、理系が１・７ポイント上昇し９２・４％だった。

　地域別では、関東地区の９５・９％が最も高く、中部地区が９２・３％と続いた。

　㈱帝国データバンクの調査結果によると、正社員の人手不足を感じている企業は５３・４％に上り、２年４月のコロナ禍以降で最高値に達した。非正社員の人手不足割合も過去４番目の３０・６％となり、高止まり状態が続いている。

　団塊の世代の多くが後期高齢者に突入する「２０２５年問題」、転職市場の活発化などを背景に、今後も企業の人手不足は続くと予想している。

(解説 2025-03-19付)