【解説】大卒就職率　９８％

（解説 2025-05-28付）

　文部科学省と厚生労働省は、７年３月大学等卒業者の就職状況調査結果（４月１日現在）をまとめた。大学生の就職率は９８・０％となった。前年同期より０・１ポイント下降したものの、コロナ禍以降、高い水準で推移している。

　調査は、就職問題に適切に対応するための参考資料を得ることなどを目的に平成８年度から実施。

　大学６２校、短大２０校、高専１０校、専修学校２０校の６２５０人を対象に調査した。

　国公立大学の就職率は０・９ポイント下降し９７・６％だった。一方、私立大学は０・２ポイント上昇し９８・１％と過去最高となった。文系・理系別にみると、文系が０・３ポイント上昇し９８・２％、理系が１・５ポイント下降し９７・３％だった。

　短大は０・４ポイント下降し９７・０％、高専は０・４ポイント下降し９９・６％。一方、専修学校は１・７ポイント上昇し９９・２％となり、過去最高を記録した。

　男女別では、男子大学生が０・３ポイント下降し９７・６％、女子大学生が０・２ポイント上昇し９８・５％だった。

　地域別（大学のみ）では、関東地区が最高の９８・７％で０・６ポイント上昇。北海道・東北地区は１・８ポイント上昇し９７・２％となった。

　帝国データバンクが全国２万６５９０社を対象に実施した人手不足に対する企業の動向調査結果（４月）によると、人手不足を感じている企業の割合は正社員で５１・４％、非正社員で３０・０％に上っている。

　毎年４月は新卒新入社員の入社などによって人手不足の割合が緩和される傾向にあるものの、依然として半数を超える状況となった。同社は、高止まり傾向が長期化すると予想している。

(解説 2025-05-28付)