【解説】地域と共に高校魅力化を

（解説 2025-06-04付）

　「地元に高校がなくなると町自体も衰退してしまう」。４月の地域別検討協議会では、こうした小規模校の存続を望む声が多く上がった。今回新たに示された１０年度計画において、芦別、上川、池田に地域連携校が導入されるなど、各小規模校の存続に向けた方策が検討されている。

　道教委は、第１学年１学級の高校のうち、地理的状況等から再編が困難で地元からの進学率が高い高校を地域連携校として位置付けている。

　また、５月１日現在の第１学年在籍者数が２年連続２０人未満になった場合でも、高校の特色化・魅力化、入学者確保に取り組む集中取組期間を設け、再編整備を留保するとしたほか、地域連携校以外の小規模校も地域創生の観点から基準を明確化している。

　４月に各学区で開いた地域別検討協議会では「地元の高校があることが町の活力・地域コミュニティーの活性化につながっており、小規模校でも存在意義は大きい」と小規模校の存続を望む声が上がる。一方で「少子化の進展を考えると、地元に高校を残すことも大切だが再編もやむ得ないと思う」と少子化が進む現状に理解を示す意見もある。

　少子化が加速する地域において、地方創生の核になる高校の存続は、地域の存続にも関わる重要な課題になっている。

　中教審の高校教育の在り方ワーキンググループの審議のまとめでは、高校教育の実態が地域・学校によって多様な状況であることから「多様性への対応」と「共通性の確保」を同時に進める必要性を提示。高校が所在する地域や近隣の自治体、企業等の関係者の協力を得ながら生徒の学びを深めていく重要性も指摘しており、地域と共に生徒が行きたいと思える学校づくりや特色化・魅力化を一層進めることが求められる。

(解説 2025-06-04付)