【解説】環境学習が行動に影響

（解説 2025-06-20付）

　学校などで環境問題を学習した若者ほど、環境に配慮する取組を行う傾向にあることが日本財団の１８歳意識調査で分かった。環境問題を学校などで「しっかりと学習した」と回答したグループでは８８・１％がごみの分別を行っていると回答したのに対し、「学習したことがない・覚えていない」と回答したグループでは４９・６％にとどまった。

　調査期間は３月１４～１７日。全国の１７～１９歳の男女１０００人が回答した。

　環境学習に対する認識は「しっかりと学習した」が２０・１％、「ある程度学習した」が３８・２％、「少し学習した」が１８・９％、「学習したことがない・覚えていない」が２２・８％。学習経験の認識が高いほど気候変動が生活に影響すると感じる割合が高く、その後の行動にも影響している。

　環境に配慮した普段の取組は「食べ物を残さないようにする」「誰もいない部屋の消灯」「買い物の際のマイバッグ持参」「ごみの分別」がいずれも４割以上と多い。

　有効な行動・方法は「環境に優しい商品の購入」「ボランティア活動への参加」「NPO・市民団体への寄付」が多かった一方、「デモの主催・参加」「署名活動」「新聞等への投書」「SNSでの発信」に関しては４割以上が有効ではないと考えている。

　関心のある環境問題は「地球温暖化」の３４・７％を筆頭として「海洋汚染」「森林の減少」「大気汚染」と続いた。地球温暖化対策の先頭に立つべき世代として５３・２％が「現在の若者」（自分たちの世代）を挙げている。

　日本財団は「若者も含め広く社会課題を議論し、解決に向けた取組を進める社会の土壌をつくっていくことが重要」とし、環境問題に関する議論、意見表明、訓練の機会を提供する必要性を指摘している。

(解説 2025-06-20付)