【解説】言語活動の充実が影響
(解説 2025-06-25付)

 文部科学省は英語力向上に大きく影響する要素として「生徒の英語による言語活動」「教師の英語使用」などを挙げている。授業の半分以上を英語で行っている道内の高校の割合は94・0%と全国平均の56・6%を大きく上回り、道教委は英語を使用した言語活動の充実が英語力向上に影響を与えていると分析する。

 CEFRのA1相当以上の中学生の割合は年度によって増減があるものの、平成28年度の26・9%から徐々に上昇傾向にある。道教委は今後、教科の指導力を高める研修・研究協議会を引き続き開催するほか、道独自の「Hokkaidoパフォーマンステスト参考資料」の更新・普及に取り組むなど、授業改善をさらに進めるとしている。

 ICTの活用や遠隔交流の取組も広がりを見せており、文科省はこれらの取組を通じて英語を使う機会を設けることが英語力の向上に効果的としている。ALTによる働きかけの重要性も強調し、特に「生徒の発言・作文へのコメント・フィードバック」「やりとり・発表のモデル提示」が英語力向上の効果が高いとしている。

 英語力が大きく向上している自治体では「全国学力調査の結果分析による課題の可視化」「デジタル教科書を活用した音読」「文部科学省のメクビットによる問題配信」「外部検定試験の補助」など、子どもの課題を踏まえた様々な取組が行われている。

 音声認識技術を併用した英会話アプリを活用する動きも現れており、AIとの英会話によってコミュニケーション能力や学習意欲の向上に効果が見られているほか、AIによる判定結果を個別指導に役立てている。文科省は本年度からAIを活用するモデル事業を開始し、英語の授業・家庭学習における活用の在り方を検証する。

(解説 2025-06-25付)

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