【解説】指導人材の育成・確保へ(解説 2025-08-29付)
吹奏楽部の遠隔指導は蘭越町が先行して取り組み、札幌大谷大学の学生や教授が質の高い演奏指導や楽器の奏法を指導。吹奏楽部は特に休日の活動日数・時間が多い傾向にあり、遠隔指導による教員の負担軽減の効果は大きい。
団体・大学・企業と連携して指導者を確保する取組が全国で広がりを見せており、札幌市は市スポーツ協会と連携し、中学生が多様な種目を体験できるイベントを6年度から開催。本年度はフェンシングなど新規7競技を追加する予定だ。
道教委は「ほっかいどう部活動・地域クラブ活動サポーターバンク」を設置し、指導者を探している自治体関係者に情報提供。種目別の登録状況(18日現在)をみると吹奏楽の登録者が121件と最も多い。
秋田県大館市では社会人の吹奏楽団員を「見守り指導者」や「練習協力者」として位置付け、段階的に地域の指導者として育てる仕組みを構築。「指導者」という言葉にハードルの高さを感じるケースも多く、地域のスポーツを支える人材を見つけるとともに、育成する視点が重要になっている。
地域展開を進める上で共通の課題になるのが「財源」と「指導者」の確保だが、広域分散な本道では「移動手段」の確保が加わる。2町の取組は二つの課題解決に資するモデルケースになる可能性がある。取組の裏付けになるのが財源の確保だ。ふるさと納税や寄付金の活用、スポンサーの確保などの方策を検討する動きも。安平町や岩見沢市では大塚製薬と連携して地域貢献型自動販売機を設置。地域のスポーツ団体に還元する仕組みを構築している。
国は8~13年度を部活動改革の次期推進期間として位置付け、休日・平日における部活動の地域展開を進める。持続可能な活動とするため、国の財政支援を求める関係者の声は大きい。
(解説 2025-08-29付)
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