【解説】親子間「会って話す」が大切
(解説 2025-09-01付)

 SNSが普及する中でも、親子間のコミュニケーションは中学生、保護者共に「直接会って話す」ことを大切にしていることが、㈱ベネッセコーポレーションの調査で分かった。デジタル社会にあっても、直接の会話が欠かせないと感じていることが浮き彫りになった。

 通信教育講座「進研ゼミ中学講座」を受講する全国の中学生5438人とその保護者498人を対象に、親子間コミュニケーションに関する調査を実施した。

 「親に言えなかったことがある」と回答した中学生は58%。一方で「子どもが言えない本音があると思う」と回答した保護者は83%、「子どもから気持ちを伝えてほしい」については69%に上り、子どもの気持ちを察しながらも、子どもからの発信を待つ姿勢が多い傾向が見られた。

 親子間で価値観が違うと感じる項目をみると、親子共に「勉強の仕方」「スマホの使い方」が上位にランクイン。SNSに対する考え方については、中学生が3位だった一方で、保護者は6位にとどまり、中学生と保護者との間に温度差があることが明らかになった。

 中学生に対して「親に話しやすいと感じる時」を尋ねると「親の表情が柔らかい時」「親から様子を聞いてくれる時」「一緒に何かをしている時」などが上位に。保護者に対して「子どもが安心して話せるための環境づくり」を聞くと「保護者自身の失敗や悩みも話すようにしている」「否定せずに、まず最後まで話を聞くようにしている」「普段からたくさん話しかけるようにしている」などが挙がった。

 保護者が工夫や努力で環境を整えようとする一方で、中学生はシンプルな要素を重視している傾向があり「日常の自然な空気」に安心感を得ることが見て取れる。

(解説 2025-09-01付)

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