【解説】外国籍の子 15%増
(解説 2025-10-06付)

 文部科学省は6年度外国人の子どもの就学状況等調査結果を公表した。札幌市を含む道内小・中学校における外国人の子どもの数は15・1%増の965人。このうち札幌市では16・7%増の516人と大幅に増加した。不就学または不就学の可能性のある道内の子どもは98人で、札幌市が全体の7割を占めた。

 調査は学齢相当の外国人の子どもの就学状況や自治体の取組状況を把握することを目的とする今回で5回目の調査。

 対象は特別区を含む全市区町村教委(1741)。調査時点は6年5月1日。

 学齢相当の外国人の子どもが1人以上いる自治体の比率は1・6ポイント上昇して74・0%に。10人以上いる自治体は2・3ポイント上昇して42・3%となった。

 道内の状況をみると、学齢相当の外国人の子どもの人数は1096人。このうち小・中学校における就学者数は965人、外国人学校の就学者数は12人、不就学または不就学の可能性のある子どもは98人、転居・出国が21人などとなった。

 就学促進のための取組を行っている自治体の割合は51・2%。電話・訪問による個別相談、確認文書の送付などを行い状況把握に努めている。

 外国籍の児童生徒の言語は多様化。文科省の5年度調査によると、全国の公立小・中学校に在籍する外国人の使用言語はポルトガル語、中国語、フィリピノ語、ベトナム語、スペイン語の順に多い。対応言語が日本語のみの自治体は76・9%を占める。

 外国人児童生徒の受け入れが進む地域では、日本語指導講師の派遣、初期指導教室の設置、翻訳用タブレットや携帯型自動翻訳機の貸し出しなどの取組が進む。知見が十分ではない地域・学校への支援が一層重要になっている。

(解説 2025-10-06付)

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