【解説】探究と学びの往還が重要(解説 2025-10-17付)
中教審教育課程部会の生活、総合的な学習・探究の時間ワーキンググループにおいて、次期学習指導要領の在り方に関する審議が始まった。各教科の探究・学びとの往還、探究プロセスの在り方、情報活用能力を踏まえた個人およびグループでの探究や多様なテーマ設定が議論の柱になる。
全国学力・学習状況調査では、探究の過程を意識して指導している教師、探究的な学習活動に取り組む児童生徒の割合は、年々増加。探究的な学びに取り組む児童生徒は「自分で学び方を考え、工夫できる」と回答する割合が高く、探究的な学びに取り組む児童生徒が「教科の勉強が好き」と回答する割合も高い。
一方で「学校差が大きい」「指導計画の作成が難しい」「指導の仕方が難しい」「調べ学習で終わってしまう」「外部との連携・協働」などが課題になった。
15日の会合では、過日示された論点整理「質の高い探究的な学びの実現」を確認した上で、生活、総合的な学習・探究の時間の検討事項や論点を確認した。
生活科では、身体を通した直接体験を中核に、学びの質の保証と意欲醸成、幼保小と中学年以降の接続、教科横断性・年間指導計画の充実等が盛り込まれた。
総合では、小中高を通して情報との関連性や効果的な活用の在り方、課題設定の充実を含めた探究プロセスの在り方、「学びに向かう力・人間性等」を育む上での探究の役割、総合と各教科等との関係などが挙がった。特に、各教科の探究・学びとの関係については、質の高い探究のプロセスが基礎的・基本的な内容の習得の必要性を感じさせた上で、両者が往還することの重要性を位置付けた。
このほか、カリキュラム設計の負担軽減、教職員の学びの機会充実、持続可能な校内体制の工夫など条件整備も俎上に載せる。
(解説 2025-10-17付)
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