【解説】若者10万人を総合調査
(解説 2025-10-27付)

 こども家庭庁は8年度、若者世代約10万人を対象とする総合的な調査の実施を計画している。多様な境遇にある若者の困り感や支援のニーズなどを把握し、若者世代のための政策を本格的に始動する。

 若者世代を対象とする調査はこれまで内閣府が実施してきたが、10万人規模での調査は今回が初めてになる。多様な境遇にある若者世代が現在または将来にわたり社会で生きていくため、どのような意識を持っているかを総合的に把握し、今後の施策の企画・立案の基礎資料にする。

 調査対象は5~39歳までの男女約10万人を予定している。

 調査項目として、困っていること(家族関係・人間関係、仕事・キャリア、お金、生活・住まい)、支援のニーズや緊急時に頼れる支援先の認知度、挑戦したい分野、求める社会参画の在り方、自己肯定感や幸福感などを盛り込む予定。

 また、各府省・民間機関などにおいて実施した若年世代に関する調査研究の把握・分析・整理も行う。ライフデザインを描く機会を創出するため、資産運用・住まいなどの情報や支援ツールの提供、広報展開も計画している。

 国の調査によると、ライフデザインを考えたことがあると回答した若者世代の割合は51・8%にとどまる。日本財団の調査では、自国の将来が良くなると考える日本の若者の割合は15・3%、将来の夢を持っている割合は60・1%で調査対象国のうち最も低い水準になっている。

 物価高騰が進み、貯蓄や自己投資の余裕も少なくなっている傾向もあり、経済的な困窮が結婚・出産といったライフイベントに影響することも懸念される。結婚や子育ての不安解消を含め、将来の展望を描くことができる施策の推進が求められている。

(解説 2025-10-27付)

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