【解説】総合型選抜 19・5%に
(解説 2025-12-03付)

 文部科学省は、7年度国公私立大学・短大入学者選抜実施状況を公表した。大学入学者全体に占める総合型選抜の割合は前年度比で3・4ポイント上昇して19・5%。学校推薦型選抜に関しては0・9ポイント下降して34・1%となった。

 総合型選抜は志望理由や面接、課外活動などを評価する試験方法。学校推薦型選抜は評定平均や出欠状況、学校行事・部活動等への取組などの調査書を主な資料とし、入学者の能力・意欲・適性などを評価する。ペーパーテスト以外の方法で多面的・総合的な評価が可能であるほか、早期に合否が決まるメリットがある点で共通している。

 大学の入学志願者の総数は前年度比8・6%増の460万9730人。特に私立が9・3%増の407万2699人と増加傾向に。

 志願倍率は前年度の6・8倍から7・3倍に上昇。区分別にみると、国立が3・9倍(前年度3・8倍)、公立が4・8倍(同4・6倍)、私立が8・1倍(同7・5倍)と私立の伸び幅が大きい。

 総合型選抜の実施大学数は728大学で全体の93・6%が実施。学校推薦型選抜は772大学、実施率は99・2%だった。

 文科省は、個別学力検査の試験期日を2月1日~3月25日と定めているが、一部の私立大学で学力試験に捉えられる試験を早期に実施するケースが発生。このため本年度から、総合型選抜・学校推薦型選抜教科・科目に係る個別検査を2月前に実施する場合、小論文・面接・実技検査などの評価方法を必ず組み合わせることにしている。

 総合型選抜には早期に合否が決定する利点がある反面、面接などの対策に時間を要し、家庭や教育環境で較差が生じる可能性も。総合型選抜の増加に伴い学校の面接指導に必要な時間が増加しており、教員の業務負担軽減も課題となる。

(解説 2025-12-03付)

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