【解説】裁量的時間で不登校支援
(解説 2025-12-05付)

 中教審のワーキンググループは3日、不登校児童生徒に係る特別な教育課程の対象になる教育活動のイメージを示した。校内外の教育支援センターを主な実施場所とし、児童生徒の特性に応じた教育活動を「裁量的な時間」を活用して行う仕組みを提案した。

 文部科学省は次期学習指導要領から不登校児童生徒を対象とした教育課程の特例制度の新設を計画。校内外の教育支援センターと個別の指導計画を作成し、学習の分量や進度などを柔軟に設定することで原籍級に基づかない学習評価を可能にする。

 対象になる教育活動は大きく①各教科等の目標・内容に基づき柔軟に実施する教育活動(下学年・下学校種の学び直しやオンライン授業など)②各教科等には該当しない児童生徒の実態に応じた教育活動(個々の興味・関心に応じた探究的・体験的活動、ソーシャルスキルトレーニングなど)―を想定。②を裁量的な時間として実施することが提案された。特例ではない児童生徒と同じ空間で取組が実施しやすい面もあり、教室での学びに戻りつつある児童生徒を支援する考え。居場所としての機能は引き続き教育課程外の取組として位置付け、実態に応じて柔軟に実施するもよう。

 授業時数は標準授業時数を下回る形で計画段階から設定。多様な児童生徒の実態から学校長が適切な範囲で柔軟に設定できる仕組みを検討する。WGは今後、学習評価や実施体制の在り方を議論。年内にも制度全体の方向性をまとめる。

 裁量的な時間は、既存教科への上乗せや教科の新設、児童生徒の個性・特性に応じた学習支援、組織的な研修・研究活動に授業時間を割り振ることができる。8年度から調整授業時数制度を先行的に実施する「教育課程柔軟化サキドリ研究校事業」で試行導入する。

(解説 2025-12-05付)

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