しなやかな心もつ子の育成　全国小学校道徳教育研究大会等開催

（関係団体 2015-10-08付）

道徳教育研究大会釧路大会

　【釧路発】第五十一回全国小学校道徳教育研究大会・第四十九回全日本中学校道徳教育研究大会・第五十回道道徳教育研究大会釧路大会が九月中旬の二日間、釧路市生涯学習センターなどを会場に開催された＝写真＝。全国各地から約九百人の教職員が参加。釧路市内の小・中学校で計十八授業を公開したほか、学年別分科会、課題別分科会、指導講話、記念講演などを通して、しなやかな心をもつ児童生徒の育成を目指す道徳教育の充実を図った。

　大会主題は「しなやかな心をもつ児童・生徒の育成～心が響き合う〝道徳の時間〟の指導過程の創造」。

　初日は、釧路市立釧路小学校で十二授業、幣舞中学校で六授業を公開したほか、学年別分科会を行った。

　このあと、釧路市生涯学習センターで行われた開会式では、主催者を代表して全国小学校道徳教育研究会の金子和明会長、全日本中学校道徳教育研究会の江川登会長、道道徳教育研究会の加藤一郎会長があいさつ。

　金子会長は、ことし三月に告示された改正学習指導要領において「特別の教科・道徳」が誕生したことにふれ、「多様な指導と適切な評価が行われていくことは、教師をはじめ保護者などの道徳教育への関心が高まり、さらに発展する好機。多様な指導過程と指導方法の開発に力を注いでいきたい」と述べた。江川会長は「道徳の時間は各教科等に比べて軽視されがち。抜本的改善・充実が求められている。特別の教科である道徳を新たにスタートさせるにふさわしい大会にしたい」と話した。加藤会長は「道徳の時間が楽しいという子どもたちと教師の声が全国にあふれるよう、我々が実践と研究の輪を広げていく中核となっていかなければならない」などと訴えた。

　続いて、大会運営実行委員長を務める大場和典釧路地方道徳教育研究会長が登壇。「道徳の授業の本質的な目標を再確認するとともに、今後のさらなる道徳教育の充実・改善を図る絶好の機会と受け止め、研究を進めてきた」と振り返り、「今後の研究推進に示唆を与えてほしい」と呼びかけた。

　このあと、遠藤直人釧路大会研究部長が大会主題に基づき基調提案。文部科学省初等中等教育局の澤田浩一教科調査官が「〝特別の教科　道徳〟の特質について」と題して指導講話し、獣医師で猛禽類医学研究所の齊藤慶輔代表が「野生の命と向き合う～希少猛禽類との共生を目指して」と題して記念講演した。

　二日目は、釧路市生涯学習センターと釧路センチュリーキャッスルホテルで課題別分科会を実施した。

(関係団体 2015-10-08付)