アクティブ・ラーニング推進事業 目指す資質等の定義を 言語活動実践協議会が初会合 道教委(学校 2015-10-08付)
アクティブ・ラーニング実践協議会
道教委は、本年度新規事業「課題解決に向けた主体的・協働的な学び(アクティブ・ラーニング)推進事業」の一環として、言語活動実践協議会の初会合を六日、道庁赤れんが庁舎で開いた=写真=。出席した委員からは、アクティブ・ラーニングを通して「目指すべき資質・能力を定義することが必要」、実施に際して「生徒同士の人間関係づくり、コミュニケーション能力育成が基本」などの意見が出た。従来型の授業を求める保護者や教員の意識を改革する必要性も挙げられた。また、「生徒が自分で考える姿勢を培わなければならない」との指摘があった。
同事業は、道教委が文部科学省の委託を受けて実施する本年度新規事業。本道の生徒の一層の学習内容定着と学習意欲高揚を図る確かな学力の向上に向け、基礎的・基本的な知識・技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成を目指し、言語活動の充実による主体的・協働的な学び(アクティブ・ラーニング)の全道的な拡充を図る。
函館稜北高校を拠点校、岩見沢農業高校など二十八校を協力校に指定し、「〝二十一世紀に求められる資質・能力〟の効果的な育成にかかる具体的な言語活動の研究」などに取り組む。
事業の一環として、専門的見地から指導・助言を行うとともに、情報交換や連携を図り、生徒の確かな学力の向上に向けた取組の実施状況などの課題を検討、評価する言語活動実践協議会を設置。大学関係者や学校教育の専門的知識をもつ人、企業関係者、関係行政機関職員など九人を委員に委嘱した。
第一回言語活動実践協議会には、委員とオブザーバーを合わせて八人が出席。冒頭、赤間幸人高校教育課長があいさつに立ち、活発な協議を求めた。
事業内容等の説明に続き、士別翔雲高校におけるアクティブ・ラーニング導入前と導入後の国語科授業をVTRで視聴した。
委員長に守屋淳北大大学院教育学研究院教授、副委員長に大鐘秀峰札幌北高校長を選出したあと、①本道の高校生に求められる資質・能力②高校における現状と課題③課題解決に向けた今後の取組―について協議した。
アクティブ・ラーニングを導入する際には、社会的要請を踏まえて、「どんな人材を育てていくかをまとめなければならない」「目指すべき資質・能力を定義することが必要」との意見が出た。
実施に当たって、「生徒同士の人間関係づくり、コミュニケーション能力育成が基本となる」「より良い人間関係がなければディスカッションできない。学級経営、学校経営がきちんとできていなければ取り組めない」と指摘。
大学進学や就職に向け、これまでどおりの指導方法を求める保護者や、新しい手法に否定的だったり、教え込まなければ納得しない教員もいることを踏まえ、「新しい取組への不安を解決する方法を保護者や教員に明示しなければ、従来型の授業に戻ってしまうのでは」「一番大切なのは、保護者と教員の意識改革」「あくまでも生徒が中心であり、教員は教えるのではなくサポーター役」などの声があった。
守屋委員長は「こうやらなければならないということではなく、教員が個性を生かした授業をできるよう保障しなければならない」と述べたほか、「生徒が自分で考える姿勢を培わなければならない。一人ひとりが自分らしく堂々と生きられる社会に変革するための教育」などとまとめた。
(学校 2015-10-08付)
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