札幌市教委 全国学力・学習状況調査結果概要 全教科で全国平均上回る―中学校 小中とも無回答率課題に(学校 2015-10-09付)
札幌市教委は、二十七年度全国学力・学習状況調査の結果を明らかにした。小学校では、すべての教科で全国平均正答率とほぼ同程度だが、やや下回る結果となった。一方、中学校では、すべての教科で全国平均をやや上回った。質問紙調査では、「読書が好き」の割合が、小・中学校ともに全国平均を上回った。また、「難しいことでも失敗を恐れないで挑戦している」「将来の夢や目標をもっている」の割合は、十九年度調査と比べて増加傾向にあるが、全国平均を下回る結果となった。市教委では、知識・技能の定着について「小学校国語・算数で継続的な課題」との認識を示した。活用に関しては、全国と同様に「誤答率・無回答率が高い」とし、「小・中学校ともに課題」と分析した。
八日の第二十四回教育委員会会議で報告した。ことし四月二十一日に行われた調査では、小学六年生一万五千三百九十四人、中学三年生一万四千八百十五人(いずれも特別支援学校を含む)を対象に、国語・算数(数学)・理科の学力、および質問紙による学習意欲等の調査を行った。
学力調査の結果は、教科の領域ごとに全国平均と比較。三ポイントの差で「全国平均を上回る・やや上回る・同程度・やや下回る・下回る」の五段階で表したほか、今後、より一層保護者・市民の理解と協力を得ながら教育活動の充実を図るため、今回の公表から教科の領域ごとで市全体の平均正答率の数値を加えることとした。
校種・教科ごとにみると、小学校国語の平均正答率は、A問題六八・一%(全国は七〇%)、B問題六三・七%(同六五・四%)。A問題においては、「読むこと」では全国平均をやや上回った一方で、ほかはやや下回った。B問題では、「書くこと」「読むこと」いずれも。全国平均とほぼ同程度だが、やや下回る結果となった。
聞き取りや表現の工夫をとらえることなどを課題に挙げ、「相手の話の目的や意図をとらえながら聞き、自分の考えとの共通点や相違点等を整理して考えをまとめるようにする指導の充実」を改善の方向性として提示した。
小学校算数は、A問題七三・一%(全国は七五・二%)、B問題四四%(同四五%)。A問題では、「数と計算」が全国平均を下回ったほか、「量と測定」「図形」などがやや下回った。B問題では、「数量関係」が全国平均をやや下回った。異分母の分数の計算や、概数を目的に応じて用いることなどを課題とし、「既習の計算や数直線、図などを用い、計算の意味や仕組みについて理解を深め、正しく計算できるようにするとともに、日常の事象において目的に応じて概算し、正しく処理できるようにする指導」の必要性を挙げた。
小学校理科は、六〇・一%(全国は六〇・八%)。「物質」は全国平均をやや上回ったが、ほかは下回った。「学んだことを目的意識をもって適用することや、様々な機会を通して観察・実験用具を使うとともに、必要感をもって観察・実験をする指導の充実」を改善の方向性として示した。
中学校国語は、A問題七七・五%(全国は七五・八%)、B問題六七・三%(同六五・八%)。A問題・B問題とも、すべての領域で全国平均をやや上回る結果となった。一方で、複数の資料から適切な情報を得て自分の考えを具体的に書くことなどを課題として提示。「学校図書館やインターネットなどを利用しながら、多様な情報を関連付けて読み、自分の考えを深めたり広げたりする指導の充実」の必要性を示した。
中学校数学は、A問題六五%(全国は六四・四%)、B問題四二・五%(同四一・六%)。A問題では、全国平均と比較して「数と式」「資料の活用」はやや下回ったが、ほかはやや上回った。B問題では、すべての領域で全国平均を上回った。改善点として、「日常的な事象を数学的な解釈に基づいて考察し、事柄が成り立つ理由を説明できるようにする指導の充実」を挙げた。
中学校理科は五四・五%(全国は五三%)で、すべての領域でやや上回った。「予想を確かめる実験を計画する際、独立変数と従属変数について整理し、条件を制御した実験を計画することができるようにする指導」を充実する必要性を示した。
また、質問紙調査については、読書が好きな子どもの割合は前年度と同様に全国平均よりも高く、小学校は七四・八%(全国は七二・八%)、中学校は七三・四%(同六七・九%)だった。
難しいことでも失敗を恐れないで挑戦している子どもは、前年度よりも増加したが全国平均よりは低く、小学校は七二・三%(同七六・四%)、中学校は六六・七%(同六八・八%)にどどまった。
将来の夢や目標をもっている子どもも全国より低く、小学校で八四・六%(同八六・五%)、中学校で六九・四%(同七一・七%)だった。
(学校 2015-10-09付)
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