道教育大附属旭川幼が研究大会　内面に向き合う幼児教育　より良い保育の在り方研鑚

（学校 2015-10-09付）

附属旭川幼稚園研究大会

　【旭川発】道教育大学と道教育大附属旭川幼稚園（杉江光園長）は三日、同園で二十七年度教育研究大会を開催した。研究主題は「幼児の内面に向き合う～葛藤する子どもの思いとその援助」。約百人が参加し、公開保育や研究協議、玉川大学教育学部の大豆生田啓友教授による講演を通して、より良い保育の在り方について研鑚を積んだ。

　道教委、旭川市教委、道私立幼稚園協会旭川支部、上川管内国公立幼稚園教育研究会後援。

　同園では、二十六年度から「幼児の内面に向き合う～葛藤する子どもの思いとその援助」を研究主題に据え、本年度が最終年次に当たる。「幼児が葛藤体験に向き合う際の背景や様相を分析的に観察し、記録にまとめる」「教師の援助による幼児の変容を分析し、幼児の発達に必要な援助の在り方を探る」の二点を研究の目的とした。

　方法として、各クラスで二人ずつ計六人の幼児を抽出し、担任による観察や映像によって子どもの活動を記録。その上で、事例検討会議を開き、幼児の変容や教師の適切な援助の在り方を検討してきた。

　この日、三歳児つぼみ組、四歳児ことり組、五歳児おひさま組で保育を公開した。うち、四歳児では棚橋裕子教諭、丸田ちひろ教諭が園児の活動を見守った。

　本時では、友達を誘い合いながら一緒に遊ぶ楽しみを味わうとともに、友達の思いを感じたり、自分の思いを伝えたりして、自分の感情や行動を調整しながら遊ぶことをねらった。

　環境構成と手立てについては、「おうちごっこ」、木の葉や紙などを使った「ものづくり」、野球、砂遊びなどを設定した。

　野球では、北海道日本ハムファイターズの選手になりきってバットをスイングする園児や、「ファイターズ頑張れー」と応援する園児の姿が見られた＝写真＝。ほかの園児の声援に、見守っていた教諭は「応援してくれているね。もっと頑張ろう」と声をかけていた。

　また、前日の暴風雨で飛んできた木の葉が園内の池に浮かんでいる様子を見た児童は、虫取り網で落ち葉をすくう作業に夢中。友達と協力しながら落ち葉を集め、「おさかなたくさんとれたよ！」と自慢していた。

　このあと、研究協議を行い研究のさらなる充実に努めた。

(学校 2015-10-09付)