札幌市北野平小が教育実践発表会　つながりの中で成長を　「ねぇ、聞いて」生まれる１０授業

（学校 2015-07-29付）

半分売りキャベツをつくる手間を示した

　札幌市立北野平小学校（川端宏治校長）は十七日、同校で教育実践発表会を開催した。研究主題「つながりの中で成長する子の育成」のもと、十授業を公開。うち、三年一組の社会「はたらく人とわたしたちのくらし～店ではたらく人」（石岡拓教諭、児童数二四人）では、スーパーマーケットにおける商品展開が、どのような点を意識しているかを考える授業を行った。

　同校では、児童たちがともに成長し合うことを目的に、学習の積み上げと人とのつながりを意識した授業づくりを目標として、「つながりの中で成長する子の育成」を研究主題に設定。「『ねぇ、聞いて』が生まれる授業」を目指す授業像とした。研究の推進に当たっては、「主体的な学びを生み出す学びのつながり」「つながりから達成感を生む教師の支援」を視点とした。

　授業公開のうち、三年一組社会「はたらく人とわたしたちのくらし～店ではたらく人」は、十四時間扱いの十一時間目。小売店が自分たちの生活を支えていることへの理解などを単元目標とした。

　前時までに、スーパーマーケットが、陳列の仕方などを工夫して来店者数増加を目指す姿を確認。本時では、来店者のニーズに合わせて商品展開している点に迫ることを目標とした。

　石岡教諭は、キャベツ売り場の写真を提示して、一個売りと半分売りの二種類があることを確認。用意したキャベツを半分に切って見せ、半分売りキャベツを作る手間を示した＝写真＝。児童たちは、なぜ手間がかかるカット売りをするのか、理由を考え発表。「家族が少ないと半分で足りるから」など、自宅での様子を思い出しながら、「来店者一人ひとりに合わせた商品展開をしている」と、意見を述べた。

　そこで石岡教諭は、店長のコメントを紹介。来店者のニーズに合わせた商品展開を心がけることで、来店者数を伸ばすねらいがあることを伝えた。さらに、千切りキャベツを提示し、すぐ使いたい人や包丁を使うことが苦手な人のニーズに合わせた商品の一例として紹介した。

　児童たちは、キャベツ以外にも米や砂糖、納豆などで同様の工夫を行っていることを知り、来店者のニーズを大切にしている店長の思いを実感していた。

(学校 2015-07-29付)