道内市町村の社会教育アンケート 多様な人材の育成重要 道教委が結果まとめる(道・道教委 2015-07-30付)
道教委は、社会教育委員の会議に向けて実施した市町村への事前アンケート結果をまとめた。社会教育行政の推進で重視していることや社会教育主事に必要な資質・能力、配置の在り方など十五項目からなり、項目ごとの道社会教育委員の意見も示した。
二十六年十一~十二月に道内全市町村教委を対象として、社会教育に関する十五の設問からなるアンケートを実施。回収率は一〇〇%だった。
アンケート結果をみると、「社会教育行政の推進に当たり、今後どのような視点が重要であるか」の質問では、「多様な人材の育成に関すること」が二〇・三%と最も多く、「子育てや家庭教育支援に関すること」(一九・六%)、「若者をひきつける地域づくりに関すること」(一七・七%)、「公民館や図書館等の社会教育施設が学習拠点として機能を発揮すること」(一六・〇%)などと続いている。
結果を受けて道社会教育委員は、「過疎化、人口減少が進む中、若年層がまちづくりやまちおこしに積極的にかかわれる社会教育の在り方が問われている」「支援体制確立のための人材育成、人材開発が課題」などと分析している。
社会教育事業の企画に当たり、重要と考えていることは、「地域の担い手を養成するための研修機会の拡充」(二二・〇%)、「自主的な活動を促す人材の育成」(二一・四%)、「社会教育主事等の専門性を活用した事業企画・運営」(一五・四%)、「事業目標を設定するための調査・研究」(一二・八%)などとなった。また、「六十歳以下の地域活動をする人材が少ない」ことを課題に挙げている。
社会教育主事に必要な資質や能力、配置の在り方については、「多様な主体による社会教育事業の展開への対応」(二八・九%)、「地域コミュニティーの変質への対応」(二二・四%)、「社会教育計画の立案能力と分析能力」(二二・一%)の順で多かった。
一方、社会教育主事を置かない理由としては、「予算や人員削減のため配置が困難」「教育委員会職員において事業推進が可能」などの意見があった。
社会教育委員の役割や設置の在り方に関しては、「住民主体の地域づくり活性化のための担い手」(二八・一%)、「新たな学習課題の発見と柔軟な思考」(二六・七%)、「主体的な社会教育計画の立案」(一九・八%)、「独任性を生かした様々な調査、研究、自主研修」(一六・二%)などが挙げられた。
社会教育計画の策定状況では、六九・八%が独自に策定しており、二二・三%が生涯学習推進計画や教育全体の計画の一部としている。策定していないと回答した市町村は七・九%だった。
社会教育行政における都道府県の役割として重要なことは、「地域課題に対して柔軟に対応できる優れた実践事例や研究成果の提供」(二六・七%)、「子どもたちの主体性を引き出し、実社会につながる学習機会・内容の充実」(一八・九%)、「学校教育行政と社会教育行政におけるネットワークの構築」(一八・八%)などがあった。
社会教育行政における市町村の役割では、「地域住民の自主的な社会教育が円滑に実施されるような環境醸成」(二八・九%)、「講座や研修の受講後における学んだ成果を活用する仕組みづくり」(二四・〇%)などが挙げられた。
道社会教育委員は、「社会教育が地域の課題への有効な解決手段であることが十分に理解されていないのではないか」「地域の結び付きが必要」などと分析している。
(道・道教委 2015-07-30付)
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