27年度第1回道立図書館協議会開催 サービス向上に努め―林図書館長 業務実績報告もとに質疑(道・道教委 2015-07-29付)
協力サービスや子どもの読書活動推進について協議
道立図書館は二十三日、二十七年度第一回道立図書館協議会(会長・木村純北海道大学特任教授)を同館で開催した=写真=。協議会委員、同館幹部職員が出席。二十六年度の運営計画に掲げる事業の達成状況や活動内容について、業務実績報告書に基づき報告、協議を行った。
開会に当たり、林秀樹館長があいさつ。「本日の協議会で、事業等の検証を行い、課題を把握することによって、事業運営の改善を図り、着実な成果につなげていきたい」との考えを示した。「利用者のニーズに少しでも応えていくため、前年度に試行的に実施していた一人当たり五冊までとしていた貸出冊数を十冊に増加、同じく試行していた道立学校図書館への支援貸出しを二十七年度から本格実施した」と説明し、「今後も、より良いサービスに努めていきたい」と述べた。
議事に入り、利用サービス部の伊藤信彦部長が二十六年度業務実績について、目標値・実績値を掲げた項目を中心に説明。「市町村支援」では、図書館活動支援で運営相談事業、事業企画支援ともに目標値を上回ったほか、大量一括貸出しについて、「今後も要望の多い料理・手芸、文芸書、児童書などの収集に努めていきたい」と述べた。目標値に十四地域を掲げた管内図書館振興団体支援における相互協力促進事業は、六地域にとどまり、「今後、地域に本事業を丁寧に説明するとともに、積極的にPRし利用を促進していく」と説明した。
協力サービスの推進について、協力貸出しは利用市町村数、貸出冊数ともに目標値を下回ったが、「竹鶴政孝と北海道」などの移動展で七百七十一冊の貸出しがあり、「魅力的なテーマによる展示リストの公開などを積極的に行い、未利用市町村の解消と利用の拡大を進めていく」と説明。
また、協力レファレンスについては、「ホームページや図書館ポータルの拡充によって資料検索に付随した調査件数が減少を続けている一方、北方資料室の事項調査は増加している」と報告。事項調査の増加に対応していくため、「市町村立図書館等職員のスキルアップを図るために、レファレンス体験研修を引き続き実施していく」と述べた。
道民向けサービスの分野では、来館者数、直接貸出冊数とも目標値を下回ったが、直接貸出冊数は二十五年度実績より一万冊以上増加しており、「二十六年十月から試行した一人一回当たりの貸出冊数を五冊以内から十冊以内とした貸出冊数の拡大が大きな要因」と説明。非来館型サービスの充実で、インターネット予約貸出しは、受取市町村数、貸出冊数ともに目標値を上回ったことや、ことし四月から道議会図書室に受取窓口を設置し、利便性の向上を図っていることを報告した。
子どもの読書活動の推進の分野では、学校図書館サポートブックス事業について、十三市町村(延べ十七市町村)と目標値(十八市町村)に届かなかったが、前期・後期ともに申し込む市町村もあり、実施市町村からの評価が高く、「二十七年度は拡充を図り運用していく」と説明。子どもの読書活動推進計画の策定では、策定市町村数百十六市町村という目標に対して、実績は百六市町村となったが、策定市町村数が年々増加傾向にあることを報告した。
ブックスタート事業は、事業実施市町村数の目標百七十二市町村に対し、実績は百六十四市町村。「今後もブックスタート事業の全市町村への普及という観点から情報提供に努めていく」と述べた。
資料の収集整備について、累計図書冊数は目標値を下回ったが、そのほかの累計の雑誌冊数、増加図書冊数、増加雑誌冊数については、いずれも目標値を上回った。また、「二十六年度の重点収集テーマは“仕事の支援”で、一般資料購入冊数の約一六%を占める約一千三百冊を収集した」ことが報告された。
このあと、質疑応答を行った。中で、委員から「実績値の経年変化が見えにくい」という意見が出され、伊藤部長は「最終目標値に対する到達状況等を取り入れるなど、来年度に向けて検討していきたい」との考えを示した。
最後に、林館長があいさつし、「利用者の目線に立ったサービスの提供という観点で、図書館を運営していきたい」と述べた。
(道・道教委 2015-07-29付)
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