第1回道社会教育委員会議 事業評価の在り方探る 教育支援充実へ提言案作成(道・道教委 2015-07-30付)
4点を柱とした提言案について協議した
第一回道社会教育委員の会議が二十八日、札幌市内かでる2・7で開かれ=写真=、「地域の多様な人材の参画による教育支援の充実を目指して~子どもの成長を支える人材の育成を目指した社会教育行政における評価の在り方を探る」と題した道教委への提言案について協議が行われた。社会教育事業における「具体的な目標設定」「評価」の在り方について、「ひらく・つながる・むすぶの再構築」など四つを柱として提言。人を思いやる心「仁」の考えを取り入れた行動を促す方策などを示していく。提言書は年度末までに完成させる。
案の作成に当たり、道教委は事前に全市町村教委を対象としたアンケート調査を実施。社会教育事業の企画で重視していること、社会教育主事に必要な資質・能力、社会教育計画の策定状況、事業評価方法などを調べ、道社会教育委員が結果を分析した。
調査結果をもとに、社会教育事業における「具体的な目標設定」「評価」の在り方に関し、今後の方策として、①住民に必要とされる力②従来の形にとらわれない柔軟な発想③求められるべき学習の到達目標④ひらく・つながる・むすぶの再構築―の四つを柱として提言案を示した。
①では、次世代をどのように地域で育んでいくかの社会教育的視点を提示。「子どもたちの社会参画を意識づけるため、自分のまちの様々な企画に携わり、子どもたち自身が地域住民に聞き取り調査をするなど、地域に対する思いを高め、自分で考えて地域を守っていく仕掛けづくりが求められる」と示したほか、ものづくり技術を支える創造性に富んだ人材の育成の必要性を指摘している。
さらに、地域の次代を担う親としての役割、地域社会全体で子どもを育む大切さについて共通理解を図る必要性も強調。「家庭、地域、学校が連携して子どもたちの人格形成に取り組むことで地域への愛着をもち、過疎化や少子高齢化、産業の変化など地域コミュニティーの変質に対応できる社会をつくり上げることが期待できる」と提案している。
②については、単なるアンケート調査や満足度調査を見直すよう求め、数値で測ることができない成果や「心にもった意識」をどう評価していくか考案していくこととしている。
③では、事業の企画・立案段階での望ましい評価の設定について提示。地域の課題解決において不足している学びを明確化し、必要な学びを示す必要性、社会や住民に対する説明責任などを示した。
④では、「協働」から一歩進んだ人を思いやる心「仁」の考えを取り入れた行動を促すことを提案。地域の人に思いやりの心が自然にわき上がる仕組みづくり、住んでいる地域での自分の活動の拡大の必要性を呼びかけている。
このほか、提言書には道内外の市町村で継続的に事業評価し、改善に生かしている実践事例も掲載する予定。
第一回道社会教育委員の会議には十人の委員が出席。冒頭、成田直彦生涯学習推進局長が、「本道の生涯学習、社会教育を一層推進するため、社会教育委員が“社会教育の有用性”を“見える化”させる方策について提言としてまとめることは意義あること」とあいさつした。
委員からは提言案に対して、「提言を出しっぱなしではなく、各地域で具現化できる形にすべき」「道内の都市部と農村部の違いも考慮しては」「四つの提言の根拠を示すことで説得力を出すべき」などの意見が出された。
提言書は年度末までに完成させ、教育長に手交する。
(道・道教委 2015-07-30付)
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