道教委が特別支援教育充実セミナー　指導・支援の充実へ研鑚　個別計画などの演習実施　石狩管内

（道・道教委 2015-08-27付）

石狩管内特別支援教育充実セミナー

　道教委は二十五日、札幌市内の道立特別支援教育センターで二十七年度特別支援教育総合推進事業「石狩管内特別支援教育充実セミナー」を開催した＝写真＝。本年度から全道各管内で行っているセミナー。通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする子どもの指導や支援の充実のために、校内研修や個別の指導計画の作成などに関する演習を実施。石狩管内の幼・小・中・高校の特別支援教育コーディネーターなど約五十人が参加し、道教委が本年度作成した「校内研修プログラム」の効果的な活用方策について考えを深めていた。

　最初に、神守一志特別支援教育課主幹が「校内研修プログラムの活用」について説明した。国のインクルーシブ教育システム、道の特別支援教育に関する施策、来年四月に施行する「障害者差別解消法」にふれ、「〝不当な差別的扱い〟と〝合理的配慮をしないこと〟が差別になるが、過度な配慮をすることではない」と強調。「学校ではゆっくり話したり、視覚的支援を行ったりするなど配慮することを意識してほしい。障がいのあることによる疎外感や緊張感に共感することが大切」と助言した。障がいの特性や支援が必要な子どもの心理を理解し、すべての子どもが大切にされ、安心できる学校づくりを進めるよう期待した。

　また、特別支援学級数が増加している一方、通常学級においても、飽きやすい子・じっとしていられない子・やる気のない子・見通しがないと不安になる子・友達にきつい言葉を言ってしまう子などが増えている現状も指摘。「発達障がいを含む特別な教育的支援が必要な子は一人ひとり違う。先生方の引き出しを増やして指導することが大切」とし、本年度道教委が作成した『校内研修プログラム』を活用するよう呼びかけた。

　活用例として、職員会議後や職員朝会など短い時間でもできることを紹介。「発達障がいの特性の理解」「学級づくり」「個別の指導計画の作成」などの研修内容からなり、各校の実態に応じて選択するよう求めた。

　参加者は後半、校内研修プログラムにある研修シートを使った疑似体験を実施し、日常の配慮の大切さを実感。「学級づくり・授業づくり」についても具体的事例に基づき演習した。

　このほか、個別の指導計画、個別の教育支援計画の作成に関しても演習・協議を実施した。

(道・道教委 2015-08-27付)