道教委が学力・学習状況調査の本道分結果公表 2教科で全国平均以上 28年度には全教科で達成を
(道・道教委 2015-08-26付)

 道教委は二十五日、二十七年度全国学力・学習状況調査における道内公立小・中学校の調査結果概要を公表した。教科に関する調査では、全国平均正答率との差が小・中学校十教科中五教科で縮まった。また、全国と同率の中学校国語A、〇・三ポイント高い中学校理科と、二教科が全国平均以上となった。一方、三教科で、全国との差が広がった。柴田達夫教育長は、これらの結果を受け、「全国学力・学習状況調査を活用した検証改善サイクルをより一層確かなものとして、なお一層の努力が必要」との考えを示した。また、「二十八年度には、すべての教科で全国平均以上となるよう、学力向上の取組を推進していく」ことを表明した。

 本年度調査は、小学校・特別支援学校小学部の六年生、中学校・中等教育学校・特別支援学校中学部の三年生が対象。調査日は四月二十一日。同日に実施した学校数は、小学校が一千七十六校(九九・六%)、中学校が六百六校(九九・三%)、合計一千六百八十二校(九九・五%)。児童生徒数は、小学校が四万二千六十八人、中学校が四万九百六十六人、合計八万三千三十四人。

 教科に関する調査と生活習慣や学習習慣等に関する質問紙調査を行った。

【教科に関する調査】

 国語、算数・数学のほか、二十四年度以来三年ぶりに理科も実施。主として「知識」に関するA問題、主として「活用」に関するB問題を行った。

 調査の結果、全国平均正答率との差は、中学校の国語Aが〇ポイント、数学Aがマイナス一・四ポイントで、二十六年度調査と同じ。小学校の国語B、算数B、理科、中学校の国語B、理科の五教科で全国との差が縮まった。

 また、中学校の理科が全国よりも〇・三ポイント上回り、全国と同率の中学校国語Aと合わせて二教科が全国平均以上となった。

 小学校は、全教科で全国との差が二・九ポイント以内、中学校は、全教科が一・九ポイント以内だった。

 今回は、二十四年度当時の小六が本年度、中三になって調査を受けた。小六当時と今回の調査結果を比較すると、全教科で全国平均との差が縮まり、改善がみられた。

 教科別に調査結果をみると―

▼小学校国語A

 平均正答率は六八・一%。全国の平均正答率との差は、二十六年度のマイナス一・一ポイントからマイナス一・九ポイントに広がった。

▼小学校国語B

 平均正答率は六三・〇%。二十六年度のマイナス二・六ポイントからマイナス二・四ポイントに差が縮まった。

▼小学校算数A

 平均正答率は七二・三%。全国との差は、マイナス二・三ポイントからマイナス二・九ポイントに広がった。

▼小学校算数B

 平均正答率は四二・五%。二十六年度のマイナス三・〇ポイントからマイナス二・五ポイントに全国との差が縮小した。

▼小学校理科

 平均正答率は五九・三%。全国との差は、二十四年度のマイナス二・三ポイントからマイナス一・五ポイントに縮まった。

▼中学校国語A

 平均正答率は七五・八%で、二十六年度に引き続き、全国平均と同率だった。

 二十四年度小学校国語Aで、全国との差がマイナス四・二ポイントだったが、大きく改善した。

▼中学校国語B

 平均正答率は六五・七%。二十六年度のマイナス一・一ポイントからマイナス〇・一ポイントに全国との差が縮まった。

 二十四年度小学校国語Bで、マイナス四・五ポイントあった差が縮まった。

▼中学校数学A

 平均正答率は六三・〇%。全国平均との差は、二十六年度と同じくマイナス一・四ポイント。

 二十四年度小学校数学Aで、全国とはマイナス四・六ポイントの差があったが、改善した。

▼中学校数学B

 平均正答率は三九・七%。二十六年度のマイナス〇・四ポイントからマイナス一・九ポイントに差が広がった。

 二十四年度小学校算数Bでの全国との差はマイナス四・六ポイントだった。

▼中学校理科

 平均正答率は五三・三%。二十四年度は全国平均との差がマイナス〇・七ポイントだったが、今回は、全国よりも〇・三ポイント上回った。

 二十四年度小学校理科では、マイナス二・三ポイントの差があったが、改善した。

【質問紙調査】

 児童生徒と学校に分け、生活習慣や学習環境等について調査した。

▼児童生徒

 普段、一日当たり一時間以上勉強する児童生徒の割合は、小学校が五四・六%、中学校が六三・〇%。前年度と比べて、小学校で三・二ポイント、中学校で一・八ポイント高くなったが、全国との比較では、小学校で八・一ポイント、中学校で六・〇ポイント低い。

 一日三時間以上、テレビやビデオ・DVDを視聴する児童生徒は、小学校が三九・六%、中学校が三二・三%。前年度よりも小学校で一・四ポイント、中学校で一・五ポイント低くなったが、全国よりも小学校で三・五ポイント、中学校で一・八ポイント高い。

 一日三時間以上、テレビゲームをする児童生徒は、小学校が二二・六%、中学校が二四・五%。前年度と比べて、小学校で〇・二ポイント低い一方、中学校が〇・四ポイント高い。全国との比較は、小学校で五・六ポイント、中学校で四・〇ポイント高い。

▼学校

 私語をしないなどの学習規律の維持徹底を「よく行った」学校は、小学校が六一・一%、中学校が七一・一%。前年度よりも、小学校で〇・五ポイント、中学校で一・五ポイント高い。全国との比較でも、小学校で三・一ポイント、中学校で七・二ポイント高い。

 授業の冒頭で、目標を児童生徒に示す活動を計画的に「よく行った」学校は、小学校が六七・三%、中学校が五〇・〇%。前年度よりも、小学校で六・九ポイント、中学校で七・六ポイント高くなったが、全国と比べると、小学校で三・八ポイント、中学校で六・三ポイント低い。

 授業の最後で、学習内容を振り返る活動を計画的に「よく行った」学校は、小学校が五四・三%、中学校が三九・一%。前年度よりも、小学校で九・〇ポイント、中学校で五・三ポイント高くなった。全国との比較でも、小学校で六・七ポイント、中学校で四・九ポイント高くなっている。

【教育長コメント】

 二十七年度全国学力・学習状況調査は、毎年実施している国語、算数・数学に三年ぶりとなる理科を加えた小・中学校十教科で実施され、本道の状況は、全国の平均正答率との差が五教科で縮まり、中学校国語A、中学校理科は全国平均以上となるなど、昨年度に引き続き、改善の傾向がみられ、教育委員会や学校、家庭、地域の取組が一定の成果として着実に現れてきたものと受け止めている。

 一方で、いまだ多くの教科で全国平均を下回り、そのうち三教科では、全国との差が広がっていることから、こうした状況を厳しく受け止め、全国学力・学習状況調査を活用した検証改善サイクルをより一層確かなものとして、正答数の少ない児童生徒の学習状況を改善するなど、なお一層の努力が必要と考えている。

 道教委では、今後も、教育の機会均等という義務教育の趣旨を踏まえ、北海道に住むすべての子どもたちに、社会で自立するために必要な学力を身に付けさせる必要があるとの考えのもと、授業改善と生活習慣の確立を車の両輪と位置付け、学校、家庭、地域、行政が一体となって取り組む「ほっかいどう〝学力・体力向上運動〟」などを継続し、二十八年度には、すべての教科で全国平均以上となるよう、学力向上の取組を推進していく。

 教育関係者や保護者の方々はもとより、広く道民の皆さんの理解と支援をいただくよう、よろしくお願い申し上げる。

(道・道教委 2015-08-26付)

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