26年度道教委活動状況点検・評価 4本が「計画どおり」進行 CS導入へ制度の周知必要(道・道教委 2015-08-31付)
道教委は、『二十六年度道教委の活動状況に関する点検・評価報告書』を取りまとめた。個別施策の評価では、十三本の基本方向のうち、「地域で子どもたちを育てる環境づくりの推進」など四本が「計画どおり」、「魅力ある学校づくりの推進」など六本が「概ね計画どおり」に進んでいるとした。重点点検評価「コミュニティ・スクールの導入促進」では、二十九年度までに公立小・中学校の一割に導入を拡大するとの目標に向け、「導入の成果への期待を高める」ことなどを課題に挙げ、「制度説明会や資料の提供など、制度周知のための取組が必要」などと今後の方向性を示した。=関連記事「解説」欄=
▼個別施策の評価
「道教育推進計画改定版」(二十五~二十九年度)に掲げた十三本の基本方向ごとに、PDCAサイクルに基づいて点検し、目標の達成状況を「計画どおり」「概ね計画どおり」「やや遅れ」「遅れ」の四段階で評価した。
「地域で子どもたちを育てる環境づくりの推進」「潤いのある地域づくりを目指す社会教育の推進」「文化・芸術活動の推進」「ビジョンの推進に向けた体制づくり」の四本は、「計画どおり」に進んでいると評価。
「概ね計画どおり」に進んでいると評価したのは、「社会の変化に対応し、新しい時代を切り拓く力を育む教育の推進」「魅力ある学校づくりの推進」「教職員に対する信頼性の向上」「家庭の教育力の向上への支援の充実」「学んだ成果を生かす生涯学習の推進」「健康づくり、スポーツ活動の推進」の六本。
また、三本は、「やや遅れ」と評価した。
そのうち、「生きる知恵につながる確かな学力を育み、自立した生き方を支える教育の推進」については、「全国学力・学習状況調査の本道の平均正答率は、改善の傾向がみられる一方、正答数の少ない児童生徒の割合が全国と比べて高いなど、なお一層の努力が必要」などとまとめた。
「豊かな人間性と感性を育む教育の推進」では、「道民全体でいじめ問題に取り組むため、二十五年度に全国に先がけて公布した〝道いじめの防止等に関する条例〟に基づき、〝道いじめ防止基本方針〟を策定」した一方、不登校問題では、「未然防止や早期発見・早期解消を図るための取組を行ってきているものの、不登校の児童生徒は依然として四千五百人を超える憂慮すべき状況が続いている」と指摘した。
また、「心身の健やかな成長を促す教育の推進」については、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査の体力合計点では、小学校男女、中学校女子で全国平均との差が縮まったものの、依然として小中・男女いずれも全国平均を下回っている」ことを課題に挙げた。
▼重点点検評価
「コミュニティ・スクールの導入促進」をテーマに取り上げた。
推進計画では、コミュニティ・スクールを二十九年度までに公立小・中学校の一割に導入することを目標に掲げている。しかし、ことし四月一日現在の導入状況は、三十五校(二・五%)にとどまっている。
重点点検評価では、未導入学校・市町村教委を対象としたアンケート調査や、道外の先進事例の視察・分析をもとに、課題と今後の方向を示した。
課題の一つに、「コミュニティ・スクール導入の成果への期待を高める」ことを挙げ、そのために、「制度説明会や資料の提供など制度周知のための取組が必要」とした。
「コミュニティ・スクールに対する不要感を取り除く」ことも課題とし、「視察やCSマイスターから話を聞くなど実際の運用や実例について理解を深める取組が必要」と今後の対応を挙げた。
また、道内では実績が少なく、参考となる事例が少ないこと、導入を先行させるあまり、活動が形骸化するおそれがあることを踏まえ、「導入に当たっては、学校、地域、行政の関係者が十分話し合い、導入後も学校関係者や地域の関係者がともに学び合うなど、共通認識を深めることが必要」と今後の方向性を示した。
(道・道教委 2015-08-31付)
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