道教委女性教員活躍推進会議が初会合　管理職登用などで議論　人事異動や職場復帰等も

（道・道教委 2015-09-01付）

道教委が女性教員活躍推進会議を初開催

　道教委は八月二十七日、道庁別館で女性教員活躍推進会議を初開催した＝写真＝。新規事業「女性教員活躍推進事業」の一環。校長会や女性管理職団体、市町村教委などから約二十人が参加し、女性管理職比率の目標値や取組の案について協議した。道教委は、子育て中の教員に対する人事上の配慮に関する全道的な方針の作成、ミドルリーダー養成研修の開催、『女性教員活躍事例集』の作成、育休中の教員対象の研修コンテンツを配信する職場復帰サポート事業などを行っていく計画を示した。

　二十六年度の文部科学省調査によると、全国の公立学校の管理職に占める女性比率は一五・二％。対して、道内の割合（札幌市を除く）は、二十七年度当初の時点で、小学校で一〇・四％、中学校で五・三％、高校で二・六％、特別支援学校で八・七％。学校種全体では七・七％と全国を下回っている。

　現在、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案」が国会で審議されていることも踏まえ、道教委では「女性教員活躍推進事業」に着手。昨年十月に公立学校の全女性管理職（札幌市立を除く）を対象とした「女性教員の管理職登用に関するアンケート調査」を実施したほか、ことし六月には女性管理職比率にかかる目標値や女性教員の活躍推進に向けた取組の案について市町村教委や校長会から意見を求めていた。

　今回開かれた第一回会合で道教委は、道内公立学校（札幌市立を除く）の女性管理職比率について、三十二年度までに現在の二倍に相当する一五％に引き上げる考えを示した。

　実現に向けた具体的取組として、①子育て中などの教員への人事上の配慮に関する全道的な方針を作成②ミドルリーダー養成研修を冬季休業期間中をめどに、管内ごとに実施③ミドルリーダー養成研修を受講した女性教員を人事異動で教務主任等に配置④職場復帰サポート事業として育休中の教員対象の研修コンテンツを作成し、年度内に配信⑤小・中学校教員の相談窓口設置を検討⑥主幹教諭の配置拡大、調査業務の見直しなど教頭の時間外勤務縮減に向けた取組の推進⑦女性教員の割合を高めるための学生向け『募集リーフレット』の作成・配布⑧『女性教員活躍事例集』の作成・配布―を進めていく方針。

　議事では、校種ごとに女性管理職比率が異なることについて意見交換。出席者は、「広域な全道に点在する特別支援学校では、全道域での異動を伴うので難しい」「高校も同様で、学校の仕事に加え、家庭での役割もあり、子育てのため単身赴任できない」と、現状の課題を確認し合った。

　また、「教員全体の女性の比率に注目し、女性を積極的に登用すべき」「多忙な管理職に対して男女問わず魅力を感じていないところから変えては」「男性が不公平感を感じないためにも現状に対する共通理解が大切」などの意見も出された。

(道・道教委 2015-09-01付)